米上院、イスラエル政府との関係を正常化するようアラブ諸国に圧力をかけることをオバマ大統領に要請
2009年08月12日付 Al-Ahram 紙
■ 米政府、和平交渉を台無しにする措置をやめるようイスラエルに要求
■ 米上院はイスラエル政府との関係を正常化するようアラブ諸国に圧力をかけることをオバマ大統領に要請
■ アムル・ムーサー事務局長、本紙に語る:「入植活動の停止はパレスチナ問題の解決に不可欠」
2009年08月12日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン:本紙支局】
ワシントンで開かれる予定のエジプト・米首脳会談を数日後に控え、バラク・オバマ政権はイスラエル・パレスチナ双方に対し、オバマ大統領が出来る限り早く再開させようとしている最終的な問題解決に向けた交渉の結果にダメージを与えるような一方的な措置をとらないよう求めた。
米国務省のロバート・ウッド報道官は「互いに争いあうような措置は、長年求められてきた交渉の結果をくじくことになる」と警告した。しかしながら、占領下にあるアラブ側の領土に対するユダヤ人の入植問題に関して、イスラエルに直接の批判を向けることは避けた。
オバマ政権はヨルダン川西岸地区での入植活動に反対する立場を明らかにしており、入植活動をパレスチナ・イスラエル紛争の解決の前に立ちはだかる越え難い障害とみなしている。
一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は米のこうした姿勢を完全に拒否しており、ガザ地区でのユダヤ人入植地の解体は、二度と繰り返されてはならない過ちであるとみなしている。またウッド報道官はパレスチナ・イスラエル双方に対し、ロードマップに基づくこれまでの約束をお互いが尊重しあうことも求めた。そして、二国家解決案の実現のために信頼関係の構築を行う必要があるというヒラリー・クリントン国務長官による両サイドへの呼びかけを繰り返した。
これに対し、米上院の議員71名はオバマ大統領に書簡を提出し、イスラエルとの関係正常化を開始するようアラブ諸国に圧力をかけることを求めた。書簡は、ネタニヤフ首相が軍に西岸地区のいくつかの道路から検問所を撤去させたことで、西岸地区に住むパレスチナ人の生活状況を改善させたと主張している。この書簡には、上院で多数を占める民主党の院内総務ハリー・リード氏と、少数派である共和党の院内総務ミッチ・マコーネル氏が署名している。
同じ頃、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は、本紙のマスウード・アル=ヘンナーウィー記者との会見で、「西岸地区でのイスラエルの入植活動を完全に停止することは、中東における恒久的な和平実現のために欠かせない、決定的に重要なステップだ」と語った。
またムーサー事務局長は現イスラエル政府に対し、パレスチナ国家とその将来の首都の承認について明確で率直な立場を公表する必要があると求めた。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:神田春奈 )
( 記事ID:17345 )