民放局の各種言語放送自由化案への野党の反応、でそろう
2009年09月07日付 Milliyet 紙
民間放送局による複数の言語を用いた24時間放送への認可について、共和人民党(CHP)は「時機を得た」「遅すぎたくらいだ」との見方を表した。一方で民族主義者行動党(MHP)は「分離に導く第一歩だ」と位置づけた。
ラジオ・テレビ高等委員会(RTÜK)が民間放送局で24時間複数の言語と地域方言で放送ができるよう取り組みを始めたことについて、野党からは様々な反応が寄せられた。
共和人民党(CHP)はこの取り組みについて「時機を得た」「遅すぎるくらい」の一歩として評価した。
民主市民党(DTP)はRTÜKによる支配力を弱めたい考え。
民族主義者行動党(MHP)は国土の分割に導くものとして、法整備には異議を唱えた。
各政党代表者の見解は以下の通り:
■ ムスタファ・オズユレキ<共和人民党(CHP)スポークスマン>
私たちは常に、国営放送の代わりに民間放送が母語で放送を行うことの必要性を訴えてきた。しかしそれが実現することはなかった。そこにラジオ・テレビ高等委員会(RTÜK)のみでこのような放送の取り組みが始められた。法整備についてCHPは賛成の考えで票を投じた。これまで民放はRTÜKが妨げとなり母語での放送を制限されてきた。今このような可能性を広げることは時宜に適っている。まったく正しい取り組みだ。ラズ語やグルジア語といったトルコ語以外の言語によって、希望すればテレビ放送を行うことができる。RTÜKの決断は遅すぎたくらいだ。しかし、この放送によって母語教育が行われることについては支持しない。
■ ジハン・パチャジュ<民族主義者行動党(MHP)事務局長>
政府には3つの段階的な青写真がある。そして第一段階の実現が始まった。相互休戦を達成する目的での秘密協定、民間放送が介入を受けずに放送すること、イムラル島に収監中の殺人者の孤立状態の改善、居住地域の名称をクルド語にすること、クルド語が選択科目となるよう準備するというようなことだ。今日こうした問題が提起され、実現に向け取り組まれようとしている。これらは着実に新しい国家の建設へとつながっている。与党は、外部の力によるこのプロジェクトを請負っている。
■ メフメト・シャンドゥル<民族主義者行動党(MHP)会派代表代理>
もしあなた方がこの行為を政治的性質を帯びたものに転換すれば、もしこれを政治的な要求に取りかえて政治的自由と認識するならば、あなたたちはこの社会を分解し、ばらばらにすることになる。この取り組みは、国土の分離、分割に導く一歩となる。これはラジオ・テレビ高等委員会(RTÜK)の決断ではない。これは政治権力者の決断であり、政治的な決断だ。この取り組みへの決断は社会を分け隔てし、言語を介して別の国民を作り、そしてトルコという国家を分離する目的をもったプロジェクトだ。
「管理されてはいけない」
■ セラハッティン・デミルタシュ<民主市民党(DTP会派代表代理)>
言語を介して新しい民族、新しい社会をつくることはできない。既存の、何千年もの間この土地でトルコ国民として生活してきたという歴史をもつクルド人たちの言語が認められたことになる。そうでなければクルド人たちはまるでクルド語を話しておらず、政府が働きかけるこの取り組みの後にクルド語を使うようになって、そのことでトルコが不穏な空気になったという雰囲気を醸成することは、この国で暮らす2千万人のクルド人に対する侮辱だ。もし、あなたたちがある言語を、民族を、文化を、そして信仰を禁止し、軽んじ、存在しないかのように扱い、同化しようとし、この国を統一することを考えているのなら、そんな絵空事が実現しないのは、ここ30年間の経験から残念ながら明らかだ。このため、クルド語のほか、今後の放送は、ラジオ・テレビ高等委員会(RTÜK)が通常の国内チャンネルに適用する管理以外にはなんら管理を受けず自由でなければならない。
■ 地元のテレビ局は希望に満ちた
民間放送で24時間複数の言語と地域方言で放送を行えるよう取り組みが始められたことは、ディヤルバクルにおいてこれまで1日たった45分のクルド語放送しか行えなかった放送局管理者らを喜ばせた。ギュン放送局の放送総局長のディレン・ケセル氏は、「ラジオ・テレビ高等委員会による決断は、遅すぎではあるが意義深いステップだ」と話した。
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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:17393 )