レバノン次期首相、国内のイスラーム教徒指導者をイフタールに招待
2009年09月04日付 al-Hayat 紙

■ ハリーリー次期首相、イスラーム教徒指導者をラマダーンのイフタールに招待:「叡智が争乱に打ち勝った。キリスト教徒との協力関係は、人口比とは関わりない」

2009年09月04日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面

【ベイルート:本紙】

 組閣を委任されているレバノンのサアド・アル=ハリーリー次期首相は、「誰も排除しない挙国一致内閣の樹立に必要な民主的で憲法に則った手順を進めるため、今後数日間の協議を待ちたい」と述べた。

 ハリーリー次期首相は昨日の日没後、レバノンのイスラーム教宗派全ての政治指導者、宗教指導者その他各方面のために団結を強調すべく開催したラマダーンのイフタールで、「このイフタールの席を、この国のあらゆる宗派のイスラーム教徒がいかなる争乱によって滅ぼされることもない賢明さをもっていおり、我々の間で起こる政治的対立は、我々を束ねる強固な基礎を壊すことはできないというメッセージを発する場となるよう願っている」と述べた。

 イフタールにはフアード・アル=セニョーラ残務処理内閣首相の他、ナジーブ・ミーカーティ前首相、ナビーフ・ビッリー国会議長の代理としてアリー・ハサン・ハリール議員、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の代理として同書記長の補佐役であるハーッジ・フサイン・アル=ハリール氏が出席した。その他にも、ビッリー派の議員、ヒズブッラー所属議員、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首と同党所属議員および幹部が参加した。またスンナ派、シーア派、ドルーズ派、アラウィ―派諸政党の党首や幹部、4宗派の宗教指導者が参加し、ハリーリー次期首相が団結と争乱の放棄を訴える政治的デモンストレーションの場となった。

 ハリーリー次期首相は政府の現状に関する短いコメントの中で、「首相の地位を取り引きのためのカードにするつもりはない。国家の利益こそ、あらゆる地位より重要なものでありつづけるだろう」「イスラーム教宗派同士の争いは、レバノンにとって混乱と不安定への入口であるということを、経験が確証している」と述べた。

 また、「イスラーム教徒の内部で争乱が起きた場合の最大の受益者は敵イスラエルだ」として、「イスラーム教徒とキリスト教徒を含むレバノン人全員の団結は、イスラエルの脅威に立ち向かう最強の武器である」との見解を示した。

 ハリーリー首相は、全てのイスラーム教宗派の指導者らのために開いたこのイフタールを、一般国民の間での事態の緊張を緩和する場にしようと努めている。過去数年間、国内の政治的危機の結果として各地で起きた一連の事件の中で、事態は宗派主義的な性格を帯び始めているからだ。またこうした場を設けることで、各地域での国民的レベルでの和解に道を拓くことを目指している。ハリーリー氏が率いるムスタクバル潮流の各地域幹部らとヒズブッラーおよびアマルの幹部の間では、そうした取り組みが始まっている。

(後略)

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:17412 )