コラム:国連事務総長によるイスラエル入植批判
2009年09月10日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ ネタニヤフの窮地
■ クドゥスの見方
2009年09月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面
国際社会を軽んじ、占領アラブ領土での入植拡大を続けてきたネタニヤフ首相とその極右政府もそろそろ苦しくなりそうだ。これは四つの側面から観測できる。
第一に、イスラエル入植地で新居住区建設を許可することは国際法並びにロード・マップ違反であると潘基文国連事務総長が表明した。
第二に、イスラエルが占領地でパレスチナ人に対し戦争犯罪をおかしたというチャベス・ベネズエラ大統領の発言は、反証しようのないものである。
第三点として、ガザとその他の占領地を訪問(09年6月)したカーター元米大統領が、イスラエルの入植活動継続により二国家解決案が瓦解する中、パレスチナ指導者の間では一国家解決案を支持する声が浮上しつつある事を指摘した(9月6日付ワシントンポスト紙)。
最後に、イスラエル政府が入植地での居住区建設案を承認した後、ミッチェル米中東和平特使は、予定されていたテルアビブ訪問を取りやめた。
国連事務総長の発言については、それがリップサービスにとどまるのか、実際的なステップへと続くものなのかはまだ分からない。実際的ステップとは、このイスラエルの違反に対し安保理を召集し、国際的意思を拒否する場合、経済制裁を課す等の手順をふむことである。
確かなこととしては、これまで国連事務総長がイスラエルに国際法違反の嫌疑をかけ、そのような措置を取ったことはなかった。また、欧米諸国も、傲慢と妄想に満ちたイスラエルの挑戦に対して動くようにと総長を促すこともなかった。
ネタニヤフは、国際社会の意向が存在することを承知しているはずだ。過去そうであったように、その挑戦的な行いが簡単には通らず、代償、もしくは罰則を求められることも。イスラエル政府は、国際社会の意向に従う素振りで、口先だけの約束で時間を稼ぎ、現行政策を既成事実化することに慣れている。
このようなイスラエルの国際法違反に終止符を打つためには、国連事務総長が率先して国際的ムーブメントを起こすべきである。また、ロードマップ適用の監督責任を有する四者委員会、特に合衆国とEUはこれを強く支持すべきである。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:17413 )