元詐欺占い師、今度は金融詐欺に手を染める
2009年09月21日付 Jam-e Jam 紙
しばらく前、テヘラン〔北部〕のニヤーヴァラーンでタクシーを待っていたところ、一台の乗り合いタクシーが私の前に停車しました。私は行き先を告げた上で、この乗り合いタクシーに乗り込みました。
道すがら、運転手の男が私に話しかけてきました。運転手は、情報省の捜査官で市役所に勤めている〔※イランでは公務員がサイドビジネスとして白タクの運転手をすることが少なくない〕と述べ、もし融資にお困りなら、手伝ってやろうかと話を持ちかけてきました。私はその話に乗りました。〔※イランはコネ社会なので、何事にも職業・身分上の地位が幅をきかせることが多い(と信じられている)〕
数日後、〔‥‥〕その男のところに連絡を入れ、住宅ローンの融資で便宜を求めました。男は承知し、800万トマーン〔約80万円〕を用意すれば住宅購入ローンで便宜を図ってやると言ってきました。
こうして、テヘラン北部のある地区でこの男に会い、800万トマーンと私の身分を証明する各種書類を渡しました。1週間後、融資実現に向けて交渉を行うことになっていました。
1週間後、私は何度か男に連絡を入れました。しかし電話は通じませんでした。そこで仕方なく、私に資金を融通してくれることになっていた銀行に行きました。ところが銀行の責任者は、そのような人物は知らないと言ってきました。私は、男がニセの〔情報省の〕職員であり、私をペテンにかけていたことを悟りました。
テヘラン第1区予審第1課で事件の捜査が決まったことを受け、刑事警察第1基地の捜査官らによる捜査が始まった。捜査官らは、被害者から得た情報をもとに、コンピュータ・グラフィックによる詐欺師の男の似顔絵を作成、男の身柄確保へ向けた捜索が続けられた。そんな折、別の男性3名、女性1名がテヘラン刑事警察第1基地を訪れ、同様の訴えを起こした。
捜査官らは訴えを起こした人々の事件を捜査する中で、彼らも娘の嫁入り道具の購入や住宅の購入・賃貸のための融資を受けるために、男にお金を渡し、容疑者のワナにかかっていたことが判明した。
捜査官らが被害者らから得た情報をもとに、容疑者の男が運転していた乗用車の特徴が警察センターに通知、警察官らに同種の車が見つかり次第、停車を命ずるよう通達がなされた。
捜査を続けた結果、容疑者の男の車が〔テヘランから西の都市〕キャラジのファルディース地区やテヘラン北部を往来していることが判明した。
刑務所での刑期が終わると、私はテヘランに移り住み、テヘラン市の北部で白タクをしていた。
客を乗せると、彼らに話しかけ、住宅の購入・賃貸ローンや建設費の融通、娘の嫁入り道具購入のための資金調達などで困っていることを確かめてから、彼らに市役所あるいは情報省の職員だと偽り、「職業上の信用があるから、融資で便宜を図ることができる」などと持ちかけた。
彼らからは、身分証明書とともに80万トマーンから800万トマーン〔約8万円〜80万円〕を受け取り、1週間後姿をくらませた。
( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:17502 )