エジプト文化相のユネスコ事務局長選落選にヨーロッパ各国から反応
2009年09月25日付 Al-Ahram 紙

■ ファールーク・ホスニーの落選に、ヨーロッパ諸国から広範囲な反応
■ ル・フィガロ紙:「ユネスコ選挙は文明の衝突の傷を呼び覚ました」

2009年09月25日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【パリ:中東通信社(MENA)】【ローマ:ヒンド・アル=サイイド・ハーニー】

ユネスコ事務局長を選出する第5次の投票結果により、(エジプトの)ファールーク・ホスニー文化相が落選したことは、広範なヨーロッパの反応を引き起こすこととなった。フランスの『ル・フィガロ』紙は、この結果が文明の衝突をめぐる未だ癒されざる傷を新たに呼び覚ましたと報じ、エジプトの知識人たちは今回の件をイスラーム世界や南の国々からの候補者に代表される“他者”を受け容れることができないという、西洋の欠陥のあらわれと見なしているとの報道もあった。

『フィガロ』紙は、ブルガリアのイリナ・ボコヴァの勝利は高度に政治的な選挙戦によって得られたものだと指摘しており、『リベラシオン』紙は、反ファールーク・ホスニー連合が結成されたことへのエジプト人知識人たちの批判を取り上げた。『ラ・クロワ』紙は、1945年のユネスコ創設以来、初となるアラブ人候補者の事務局長就任を阻止せんとした陰謀へのエジプト政府の批判を紹介している。

ローマでは、イタリアのフランコ・フラッティーニ外相が、ファールーク・ホスニーの試みを頓挫させようとした動機をみきわめるのは難しいと強調した。イタリアのAGI通信によれば、イタリア政府はユネスコの新事務局長を選出する五回の投票において、オーストリア人候補ベニタ・フェレッロ・ヴァルドナーとブルガリア人候補ボコヴァではなく、ファールーク・ホスニーに投票した。イタリアのフランコ・フラッティーニ外相は、選挙戦の開始前から、エジプト人候補への支持を約束していたのだ。

占領下エルサレムではイスラエルの各紙が、ファールーク・ホスニーを落選に追いやった陰謀に対する作家や知識人達の憤りについて記事を掲載し、「アメリカとヨーロッパのユダヤ人がエジプト人候補者を追い落とすべく陰謀をめぐらした」というエジプト紙の記事を引用している。

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:17542 )