オルハン・パムク「ノーベル賞のおかげで銀行口座の残高は増えた」
2009年10月02日付 Radikal 紙

オルハン・パムク氏は、「ノーベル賞のおかげで、私は幸せを感じ、多忙になりました。銀行口座の残高とメールが増えました。しかし、文学に割く時間も増えた。私にはなすべきことがたくさんある」と語った。

●政治対話を継続
オルハン・パムク氏は、スペインのラ・バンガルディア(La Vanguardia)紙に掲載された特集記事で、「私はノーベル賞について行った談話で、受賞しても私は何ら変わらないだろうと言ったが、変わった。今はより多くの読者がいる。銀行口座の残高とメールが増えた。しかし、文学に割く時間も増えた、私にはなすべきことがたくさんある。賞のおかげで私は幸せを感じ、また多忙になった」と明らかにした。

パムク氏はトルコと、アメリカを始めとする外国で講義をしながら生活していると説明し、「ボディーガードを伴わなくていいようになりたいものだ」と語った。
『思い出博物館(原題:Masumiyet Müzesi。オルハン・パムク最新作)』の登場人物ケマルは自分ではないと語ったパムク氏は、次のように述べた。「私がケマルであると考える解釈には反対だ。確かに私たちの人生はとても似ている。上流階級に属し、人生を謳歌している。2人とも共有している、貧しい国において裕福であることの困惑を。彼は自分の社会的集団から出て、個人としてそこから決別している」
パムク氏は、「これからも好きな時に政治対話を続けていくつもりだ」、そして、この点がケマルという人物と自分を分ける要素のひとつであると語り、「ケマルの関心は、ただ幸せを求めることだけだ。私はそうではない。私は幸せが人生のすべてではないと信じている。人生においては、幸せになる前に、目標を達成することがより重要であると考える人々がいるのだ」と自身の見解を述べた。

●『思い出博物館』で語られたこと…
オルハン・パムクは『思い出博物館』で語られたことは、その後彼の身に起きた本当の事であると語り、「私の人生でまた市井で経験したことだ。この本の中身は私の経験したことと、私の家族関係から培われている」と述べた。

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:17575 )