IMF専務理事「新しいIMFがイスタンブルで生まれた、G7は過去のもの」
2009年10月03日付 Milliyet 紙

IMF専務理事ストロスカーン氏は、(IMFと世界銀行の)イスタンブル会議が、IMFにとって、新しい時代の幕開けとなり、G7は「過去のもの」で、(このG7)グループが他の国々を除外してきた、と述べた。

IMFのドミニク・ストロスカーン専務理事は、トルコの主催するIMFと世界銀行の年次総会が、新しい時代の幕開けとなったことを示したうえで、以下のように述べた。「新しいIMFの始まりの瞬間はイスタンブルとなるだろう。あなたがたは、あなたがたの子供たちへ、この会議に自分が参加した、と言うことになるでしょう。」

世界経済について、ストロスカーン氏は、「概ね、瀬戸際からは脱した」ように見えるもの、まだ懸念もあると述べた。ストロスカーン氏は、増加しつつある失業率が大きな問題として残っていると言い、「成長率の増加はいい知らせだが、しかし、失業者数の増加も数カ月ほど続くだろう。これも(世界経済)回復のためのプロジェクトにダメージを与える」と述べた。(経済)危機の後、IMFが機構改革をし組織を分けたと説明したストロスカーン氏は、以下のことについても語った。

■資金留保を批判

「2010年に、成長率は世界的視点から見れば、増えるだろうが、リスクは存在する。(リスクとは)公的支援の早すぎる解消や、金融セクターが回復できない、といったようなことをさす。しかし、種々のリスクはコントロール下に置くことが可能だ。ピッツバーグで行われたG20サミットの共同声明を守ることが必要である。経済危機後の世界を立て直すために、(以下の)3つを強調する。第一は、持続可能な国際協調政策を続けなければならない。ピッツバーグで採用された決定は、ここで186カ国の同意を得なければならい。出資比率見直しは、これを助けるだろう」

ストロスカーン氏は、積極的な(政治介入)政策の重要性を説き、以下のように続けた。

「G7の弱点のひとつは、―「今はなきG7」といっておこう―、他の国々を排除したかのような印象を与えていたことだ。G20によって、この状況は解消された。3つ目として、成長率(の推移)は以前のようにはならないだろう。いくつかの国々に、余剰(資金)がある。なぜいくつかの国々はこれほどの留保を集めるのか。このように大きな留保の必要はない。私は、これがIFMの最後の任務となるとは思っていない。IMFは、金融と経済危機をなくすために創設された組織だ。新しいIMFの始まりの瞬間は、イスタンブルとなるだろう。あなたがたは、子供たちに、この会議に参加した、ということになるだろう。

ストロスカーン氏は、ある記者の「IMFは、その最も大きなメンバーであるアメリカ合衆国を、統制することができないのか?」との質問については、以下のように返答した。
「IMFのこの65年を見れば、あなたは正しい。しかし、ここ65週をみれば、状況は違っている。我々に望まれている唯一のことは、正しいことをいうことだ。我々は国家ではない。軍隊はない。誰に対しても無理やり我々の政策を押し付けられない。ただ、我々の武器(政策)は、正しいことをいって国々を説得することだ。」

(ストロスカーン氏)自身に対して行われた「靴の抗議」についても言及したストロスカーン氏は、「どのメーカーの靴かは、残念ながらわかりませんでした。私は一人の大学教授だ。一部の生徒が抗議することには慣れている。トルコの学生は、フランスの学生たちよりも礼儀正しい。会議の最後まで(抗議するのを)待っていた」と述べた。

■お客にコンタクトはとらない

トルコ経済がうまくいっていることも述べたストロスカーン氏は、以下のことを述べた。
「トルコの担当者たちと長い間、会談を行っている。年次総会の期間は、面会を行うことはよくないと我々は決めた。IMFは、ある種の共同組織である。人々は、必要があれば我々のところに来る。私たちは、(トルコにとって)昔からの取引銀行ではあるが、こちらからお客にコンタクトをとることはない。トルコ経済はかなりうまくいっている。トルコが経済援助を必要としてならば、我々のところにくる。このために、急いで行う必要はない。」

■メキシコ中央銀行総裁が厳しく批判

 フランス24テレビチャンネルで生中継された、世界銀行総裁ロバート・ゼーリックも参加した「経済危機後の世界」を主題とするパネルディスカッションで、メキシコ中央銀行総裁ギジェレモ・オルティス氏は、以下のように言った。「各国中央銀行の取ったいくつかの行動は、危機の長期化の原因となった。徐々にあきらかになった問題点を無視したことが、危機の過程を引き延ばした。」
 経済危機後の世界をテーマとするパネルディスカッションのゲストの一人である、インドネシア財務大臣のスリ・ムルヤニ・インドラワティ氏は、インドネシアのスマトラ島沖地震のために、サミットに参加しなかった。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:17579 )