トルコはモザイクか大理石か?—民族主義者行動党「エルドアンは「モザイキスタン」首相」
2009年10月05日付 Radikal 紙
民族主義者行動党(MHP)の会派代表代理オクタイ・ヴラル氏は、トルコはモザイクでなく「大理石」だと述べ、「首相に尋ねる必要がある。それではあなたはどこの首相なのか。『モザイキスタン』首相か。となると首相のこの発言はもはや上辺だけのものだ」と話した。
ヴラル氏は議会で記者からの質問に答えた。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が議会で行ったスピーチで挙げた人物と、トルコがモザイク国家だとの発言に関する質問を受けてヴラル氏は、「モザイクだと捉えるなら、豊かなものとして把握できない。豊かな一体性とは集団の中で一体性を確保するものだ。トルコはモザイクでなく、大理石だと我々は考えている。数千年に渡ってさまざまな国や地域の人々が培った精神世界からなるものは、社会学的な事象と捉えている。首相は民族の概念を理解する人物ではない、先の表現をするのだから。首相に尋ねる必要がある。それではあなたはどこの首相なのか。『モザイキスタン』首相か。となると首相のこの発言はもはや上辺だけものだ」と話した。
■首相の偽善の政治はメヴラーナに沿わない
エルドアン首相がスピーチでその詩に触れたメヴラーナの「あるがままを見よ、見えるようにあれ」という表現を引き合いに出したヴラル氏は、首相が「時期が来たら僧服を着よう」と述べたことを明らかにし、「そうすると首相による偽善の政治はメヴラーナに沿わない。アフメト・ヤサヴィ師が『誰も心を乱すな。心を乱すことは尊い神を壊すことなのだから』と言った。殉教者を馬鹿にする人、農家の人に出てけと言う企業主、学生をしゃれにならない表現で非難する人、野党を攻撃する人、国民の心を壊す人にヤサヴィ師の何が分かるか…」と述べた。
ヴラル氏は「我々民族の中にはビルゲ可汗、アルパスラン、オスマン・ベイ、アタテュルク、シェイフ・エデバリ、ハジ・ベクタシュがいる。我々はこうしたものであり、一体なのだ。一体性はモザイクでない。一体性とは、皆がそのために身体を差出し、存在する社会経済、社会的な属性なのだ。トルコ民族とはしかるものだ」と話した。
■首相は地域の名前を変更するのに忙しい
ヴラル氏は、首相の政治的立場はヤサヴィ師ともメヴラーナにも関心ないと述べ、「皆は首相自身が保守的な政治、民族主義に突き進んでいると捉えている。デデコルクト、アタテュルク、チャナッカレの戦死者を忘れる者、サンカルヨス(という名称)をサカリヤに、イコニヤ(という名称)をコンヤにした者がいる一方、首相はこの国の地名を変えるのに忙しい」と述べた。
■首相は分離と言うが我々は統一を支持する
ヴラル氏は、民主的問題解決と共に、政界に存在する「分離」論争についても批評した。本来の分離主義とは「国民を36のグループに分け、絶えず相違を議題とすること」だとするヴラル氏は「分離主義者とは誰か。分離主義思想を社会に民主主義という名の下で持ちだすのは誰か。そうした点から首相は、この国を分類的分離主義者の視点で眺めているのだ。この政治は新たな政治ではない。我々は、統一に恵み、分離に報いをと主張する者なのだ。首相は分離を支持するが、我々は統一の側だ」と述べた。
■トロイの馬に乗った
首相自身が精神世界を顕わにし、それはトルコ民族の共同体の間に混乱と害悪を生み出したいという内心の表れだと主張し、「我々の向かい側には深い結び付きが存在し、この中で第二の共和国支持者、分離主義者、外国人の全てがトロイの馬に相乗りした。ある者は思想に基づいて、またある者は政治的属性に基づいて、このトロイの馬の中にいるのだ。トロイの馬の中にあってこの国を外から征服できない者に対し、中から征服したい者を、不分明を暴き続ける」と話した。
■二人とも候補だ
ヴラル氏は、大統領選挙とエルドアンの目的が大統領の座であるという報道を取り上げ、「選挙が7年ごとに行われると言っていたが、今は5年ごとと言っている。二人が候補となるか、分からない。ギュルもエルドアンも候補足り得る」と述べた。ヴラル氏は、(トルコの)国会議員がイギリスに行く際にビザが必要とされたことについての質問に対し「国家の大多数は外交パスポートにビザを適用している。このビザの適用を、EU加盟後でさえも続行するだろう。(EUとの)周辺合意でビザとパスポートを要する件は受諾された。政府がビザの問題を取り上げ、互恵主義の原則によりビザ適用を施すのがよかろう。イギリスから来る外交パスポート所持者に今までビザを適用していたとは思わない」と答えた。
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( 翻訳者:下中菜都子 )
( 記事ID:17596 )