アクサー・モスクにユダヤ教徒過激派が侵入、警察との衝突でパレスチナ人が負傷
2009年09月28日付 al-Hayat 紙

■ アクサー・モスク侵入の新たな試みをエルサレム住民が食い止める

2009年09月28日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面

【ガザ:ファトヒー・サッバーフ、ナザレ:アスアド・タルハミー、ダマスカス:本紙】

 占領下のエルサレムでは、イスラエルのアリエル・シャロン元首相のアクサー・モスク立ち入りからアクサー・インティファーダが勃発した記念日を前に、同モスクへ押し入ろうとしたユダヤ教過激派集団をパレスチナ人数十人が阻止し、このパレスチナ人たちとイスラエル警察との間に衝突が起きたが、その後は緊張を伴った平静が市内を支配している。この衝突により負傷者や逮捕者が出て厳重な治安態勢が敷かれ、同モスクは閉鎖されて礼拝者は入れなくなった。パレスチナやアラブ諸国では非難が広がり、「第3次インティファーダ」の開始を呼びかける声も出ている。

 このアクサー・モスク侵入の試みと同時に、大規模な入植計画が明らかになった。報道した「ハアレツ」紙によれば、この計画はイスラエル国外の献金団体「アテレト・コハニーム」が配布した小冊子に記載されており、目的はエルサレム旧市街の中心部にあるイスラーム教徒地区の家屋6棟を1200万ドルで購入して占拠し、ユダヤ人家族22世帯を新たに移住させることだという。

 さらにアクサーの事件と時を同じくして、「ハマース」運動の使節団がカイロに到着した。団長であるハーリド・マシュアル政治局長は今日、エジプトのウマル・スライマーン情報局長官と会談を行う。パレスチナ国民和解に関するエジプトの提案文書に対してハマースが「柔軟な態度」を示すと伝えられている。一方、「イスラーム聖戦」運動はエジプト政府の提案文書に対して回答を伝え、「分裂を終わらせるための計画策定」の必要性を強調するとともに、立法議会(PLC)は同組織が参加していない「自治政府の一部」であるため、国民評議会(PNC)と立法議会の選挙を区別する必要があると主張した。ガザで本紙が得た情報によれば、パレスチナ国民対話会議は次の土曜日あるいは日曜日に再開される模様である。

 アクサー・モスクの事件は、2000年のアクサー・モスク侵入記念日に再び侵入を試みたユダヤ教徒過激派に対し、イスラーム教徒やキリスト教徒のパレスチナ人数百人がこれを阻止し、その際に40人以上のパレスチナ人がイスラエル警察の銃弾で負傷したというものである。

 イスラエル警察は、「アクサー・モスク構内に入った集団はフランス人観光客だった」「ユダヤ教徒過激派の集団は旧市街の端にある嘆きの壁(ブラークの壁)に向かって祈りを捧げていた」と述べたが、パレスチナ人たちはこの話を否定している。目撃したパレスチナ人らは、「大勢の入植者のグループがアクサー・モスクの前に集まっていた...入ってきて、人々が礼拝を行っていた聖域の中心部まで押し入ってきた...彼らは観光客に見える服を着た入植者だ」と述べている。衝突はすぐに旧市街やイスラーム教徒地区の路上やエルサレムの各門の周辺に拡大し、イスラエル治安部隊が厳重な治安強化態勢を敷いた。

 アクサー・モスクの事件に対してはパレスチナ人やアラブ人の間に非難が広がり、パレスチナ自治政府は昨日、アラブ連盟とエルサレム委員会およびイスラーム会議機構に緊急会合の開催を呼びかけ、現場の指揮官らはアクサー・モスクを防衛するための「第3次インティファーダ」を呼びかけた。またハマースは「危険な強硬策」のもたらす結果について警告を発し、「この犯罪によって生ずる結果について、イスラエル占領当局は責任を負うことになる」と述べた。一方、アラブ連盟は国際社会の介入を要請し、ヨルダンは「イスラエルの挑発行為」を非難した。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:17611 )