■ついにエジプトにも女性専用タクシーが
2009年10月09日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP 家庭面
【アマル・アワドッラー】
裁判官からボディーガード、理髪師にいたるまで、ここ数年、女性がこれまで男性に独占されていた職業、つまり男性のものだと見なされてきた職業に進出するようになって来ているが、その最新の分野が女性専用タクシーのドライバーである。
すでにこの種のタクシーは数多くのアラブ諸国、特にアラブ首長国連邦およびレバノンで現れており、その目的は、女性の安全とプライバシーを守り、アラブ社会で顕著になっているハラスメントの危険を避けることにある。アラブ首長国連邦はこの事業を開始した最初の国であり、レバノンがそれに続いた。レバノンでは、女性タクシードライバーは黒いパンタロンと白いシャツ、ピンクのネクタイという統一されたユニフォームを着ており、車体の色も他のタクシーと異なる。名称は「ガールズタクシー」である。
そしてついにエジプトでも、ハリーマさんの働きかけによって女性タクシーが誕生した。彼女はアラビア語とクルアーンを学ぶイギリス人学生で、タクシードライバーからの嫌がらせやハラスメントにさらされた結果、女性が運転する女性専用タクシーの必要性に思い至ったのであった。彼女がタクシー会社にそのアイディアを伝えたところ、彼らは大いに賛同した。
イスラーム・アル=スィバーイー営業部長は、「単純計算しても、私どものお客様のうち女性は65パーセントを占めていますので、女性専門タクシーというアイディアは、快適さと安全性の実現上、非常に重要なものとなると思われます。日中、9時から5時までの勤務という条件で女性ドライバーを募集する公告を出した所、多くの応募がありました。運転試験を行った後、職業運転免許証交付のために必要な手続きなどは我々が行います。この事業に対する女性からの反応は非常に良く、現在女性タクシーの車体色を、区別できるよう黄色から別の色に変更しようとしています。我々は県にこの問題に関する要望を提出し、この事業を拡大できるよう、返答を待っています」と述べている。
このアイディアが成功するかどうかについて、27歳になるタクシー運転手のファーティマさんはこのように述べている。「女性専用タクシー運転手募集の広告を読んだときは熱狂したわ。私は仕事に応募して、運転試験を受けたの。勤務時間も私にあっているし、お給料も満足できることがわかったわ。だって私はオープンカレッジの法学部で学びながら、離婚後に二人の娘を育てているんですもの」。ファーティマさんは試験に合格し、職業運転免許証を交付され、仕事を開始、まもなく彼女は社内で最も優秀なドライバーとなった。仕事中に女性タクシードライバーがさらされる問題に関しては、彼女はこのように言う。「びっくりした目で見られるし、職業免許証交付の時には役人から嫌がらせを受けたけど、本当のところ、初め私が恐れていたのは男性タクシードライバーからの嫌がらせと、通りでの人々の視線だったの。でも、私は嫌がらせも受けなかったし、それどころかみんな、特に女性は私を賞賛のまなざしで見てくれる。これまで通りを歩く時に女性がさらされてきた嫌がらせやハラスメントから、彼女達を守っているからだわ」。
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:17647 )