欧州委員会は、明日(14日)発表する予定の(トルコの加盟に関する)進捗報告書の中で、トルコには表現の自由を抑圧する多くの法が存在するとしている。
進捗報告書の草案では、「トルコの法律は表現の自由を十分には保障することを実現しておらず、この結果、検察官や裁判官が多くの場合、制限を加える方向で解釈をしがちである」と言及されている。草案は、表現の自由を抑圧する法律の一つとして、アタテュルク保護法にも触れている。
変革が行われたにもかかわらず、トルコ刑法(TCK)第301条に基づいて取り調べや裁判が未だに続いているとする報告書は、トルコ刑法で表現の自由を抑圧している301条以外の条項として、「名誉」に関する罪(第125条~131条)、公の秩序に関する条項(第214、216、217、218、220条)、国家の安全保障に関する条項(第312、314条)、わいせつ性に関する条項(第226条)を挙げている。
欧州委員会の報告書草案では、「さらに、市民が軍の味方をしない場合にそれを正すことを意図したトルコ刑法第318条、アタテュルクに対する犯罪に関する法、また、トルコ文字の承認と運用に関する法に基づいた裁判や有罪判決が依然、続いている。これらの法律がもつ不明確さが原因となり、多くのジャーナリスト、作家、出版社、政治家、学者などが取り調べ、起訴、裁判、有罪判決や投獄の危険性を持っており、このため自己検閲せざるを得ない状況に置かれている」と述べられている。
報告書では、こうした法的な抑圧にも関わらずメディアで「クルド問題、マイノリティの権利、軍の役割やアタテュルクの遺産といった、トルコの世論においてデリケートな面を含む多数の問題に関し、激しい議論が起こったこと」や「200人のトルコ知識人」によって1915年の(アルメニア人「虐殺」という)出来事の関する謝罪のために始められたインターネット上の署名キャンペーンに3万人近い参加があったことやそれに続いて広い議論が起こったことが特記されている。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:17651 )