トルコ・イラク間友好強化、48の合意文書に調印
2009年10月16日付 Radikal 紙


タイイプ・エルドアン首相は9名の大臣と共にイラクを訪問し、教育・安全保障・保健・環境・エネルギー・交通・農業など多くの点で、両国の今後の協力を保証する48の合意文書に署名した。

タイイプ・エルドアン首相は、9名の大臣に加え、多くの官僚、財界人とともにイラクを訪問し、2国間の協力強化を保証する48の合意文書に署名した。これらの署名により、両国は保健・エネルギー・環境・交通・農業など、多くの点で今後、協力していくことになる。

エルドアン首相は昨日(10月15日)、大人数の代表団とともに、日帰りでイラクを訪問した。バグダート空港ではイラクのヌーリー・アル・マーリキー首相がエルドアン首相一行を迎えた。エルドアンはマーリキ首相だけでなく、副大統領たち、国会議長らと会談した。また、大臣らは、(各省で)、二者会談をおこなった。事前にまとめられた条約は45あったが、今回の会談の結果、48に増えた。

各省への訪問と中身の濃い外交的なやり取りをへて、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と、イラクのヌーリー・アル・マーリキー首相が代表をつとめるトルコ・イラク合同内閣会議が行われ、2国間で多くの合意文書にサインがされた。

■大臣たちは署名した

この会議の場で、アタライ内務大臣がイラクの内務大臣と安全保障に関する合意文書に署名した。また、エネルギー、環境、保健、水、国境検問所、キルクークのパイプラインの修築、鉄道・運河の開通、農業・林業分野での協力文書には、ザフェル・チャーラヤン(国務)、アフメト・ダヴトオール(外務)、ベシル・アタライ(内務)、ムスタファ・デミル(建設住宅)、レジェプ・アクダー(保健)、ビナーリー・ユルドゥルム(交通)、メフディ・エケル(農業・農村)、タネル・ユルドゥズ(エネルギー・資源)、ヴェイセル・エルオール(環境・森林)各大臣と、イラクの対応する省庁の大臣が署名した。

■種は実を結びつつある

エルドアン、マーリキー両首相は、トルコ-イラク合同内閣会議の後、記者会見を行った。エルドアン首相は要約すると、次のように述べた。

「今後、我々は、高等戦略協力協議会の場で署名された合意文書の内容が実施されていくのを、責任をもってフォローしていきます。48項目すべてについて、です。(本日参加した)9名の大臣に加え、さらに3名の大臣を(担当に)追加します。国防大臣、国民教育大臣、そして国土計画開発大臣です。国土計画開発大臣が加わることに関しては特に強調しておきたいと思います。なぜならば、この大臣は、南東アナトリア・東アナトリア地域の問題に責任をもっている大臣なので、(彼の仕事の上で)特にイラクとの関係が重要となってくるからです。そしてシリアとの関係も重要です。私は今回の一歩が、シリアにつづき、非常に重要な飛躍をもたらし、これらの地域での良いモデルとなると信じています。
教育、保健、鉄道、農業、エネルギーなど重要度の高い多くの案件で議定書に署名しました。昨年蒔いた種が今実をつけ始めました。」

イラクのヌーリー・アル・マーリキー首相は、「トルコとの間に築かれた関係は、間違いなく、中東地域の他の隣国とも築かれることが望まれる良好な関係の手本である」と語った。

調印式の前に会見したアフメト・ダヴトオール外務大臣は、合意文書のうち8つが象徴的な意味を持つとしてこう述べた。「治安問題では我々にとって重大な枠組みを築くことができました。「テロとの戦い協定」も結実しかけています。運輸・輸送分野では、今後広範な協力を行っていくことを決定しました。」

ダヴトオール外相はさらに、鉄道のイスタンブル-バスラ間の開通を目指していることを明らかにし、「この路線により、EUはバグダートと完全につながる」と語った。外相はまた、イラクへ新たな国境検問所を開設する予定であり、ハブールのほか2箇所を設置する考えを表明した。一方、イラク政府のスポークスマン、アリ・デッバー氏はイラクの国土の一体性を重要視することが必要であると語った。スポークスマンは「マーリキ政府は、どのような力(注:ここではPKKをさす)も、イラクの国境へ入ることに許可は与えないと繰り返しました」とのべた。

■キルクークに言及

エルドアン首相は、イラクの国会議事堂で、イラク国民議会のイヤード・アル・サマッラーイー・議長との面会時に行った談話で、キルクーク問題に言及した。「キルクークの問題では誠意ある努力が続けられていることを私は存じ上げています。私は、キルクークがある特別な法的位置におかれるべきだと考えています。キルクークはイラク全体のものでなくてはなりません。キルクークは一つの民族だけのものではないし、そうしてはならないのです。そうでなければイラク全体にとって、そこは火種となるでしょう。」

いっぽう、エルドアンはイラク訪問前に記者の質問に答え、アメリカがクルド労働者党(PKK)の首脳陣を「麻薬密輸業者であるとし、財産を没収する」との決定を次のように評価した。「重要なことは、PKKのアメリカでの活動が麻薬密輸にかかわるものであることを、アメリカ政府が明らかにしたという点です。しかし、彼らのヨーロッパでの活動もあります。ヨーロッパでの活動は、より強力です。我々が望むのは、ヨーロッパの友人たちもこの間違いに気づき、必要な措置を講じてくれることです。」

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:17677 )