東京国際映画祭で、トルコ人家族を描いた「イースタン・プレイ」に最高賞
2009年10月27日付 Radikal 紙

東京国際映画祭で、ハティジェ・アスランとサアデト・ウシュル・アクソイが出演したブルガリア映画『イースタン・プレイ(原題:Eastern Plays)』が大賞に輝いた。一方『私は太陽を見た(原題:Güneşi Gördüm)』は同映画祭でスペシャル・メンションを受賞した。

第22回東京国際映画祭は10月25日に閉幕した。今回、トルコ映画は出品されなかったが、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ審査委員長を初めとする審査委員会は、最優秀監督賞を受賞したカメン・カレフ監督のブルガリア映画『イースタン・プレイ』を東京サクラグランプリとして選んだ。同作品はトルコ人家族が旅行で訪れたソフィア(訳註:ブルガリアの首都)でその身に降りかかった出来事を描いた作品である。若き監督は実話にもとづくこの作品を繊細かつ写実的な方法で撮影した。同作で好演したトルコ人俳優サアデト・ウシュル・アクソイは、東京に招待されたものの、テレビ連続ドラマの撮影のために招待を断ったのを、おそらく、後悔していただろう。

また、『イースタン・プレイ』に出演したフリスト・フリストフが最優秀男優賞に輝き、3冠を達成した同作品が文句なく今回の映画祭の花形となった。最優秀女優賞は、若きフランス人のシャビ・モリア監督の『エイト・タイムズ・アップ(原題:Huit Fois Debout)』でさまざまな障害にもめげず、生き抜くために戦う女性を演じたジュリ・ガイエが受賞した。

東京国際映画祭の本選以外の部門では、トルコ映画は2作品が出品された。昨年の主要な映画祭で好評を得、賞をとった作品が上演される非コンテストの部門である「世界の映画」というプログラムでは、『2つのロザリオ(原題:Uzak İhtimal)』のマフムト・ファズル・チョシュクン監督が、ケン・ローチ、ジャック・リヴェット、ジュセッペ・トルナトーレといった名監督とともに招待された。しかし、19作品が出品された「アジアと中東の風」部門において、『私は太陽を見た』は受賞こそしなかったものの、優れた作品としてスペシャル・メンションをえて、3位の栄誉を得た。

■映画祭の日本人観客たち

東京国際映画祭は、高い水準と、若い監督たちにおいた重要性を置き、「アジア映画市場」部門への関心、組織においても完璧に近い細心さで、世界の映画祭において重要な地位を獲得しつつある。更に、映画好きの日本人の観客の視線と映画に対する知識も注目に値する。コンペティション部門に出品された映画に対する監督賞が、社会的および政治的問題を細心のユーモアで包んだカナダ人の若き監督ジェイコブ・ティアニーの初監督作品『少年トロツキー(原題:Trotuky)』に送られたことは、日本人の観客の成熟した見方の証拠として評価されるべきである。

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( 翻訳者:高岡望結 )
( 記事ID:17752 )