コラム:フランス新大使の就任とレバノン・フランス関係の今後
2009年10月21日付 Al-Nahar 紙

■ レバノンとフランスの「意識」

2009年10月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 政治の場において楽観的な声や悲観的な声、「悲楽観的」な声や「楽悲観的」な声が入り乱れる中で、フランスのドゥニ・ビートゥン新大使はレバノン政府高官らに、それぞれの職務にきちんと取り組み「大きな課題に対処することができる能力を持つよう」訴えた。また、責任能力や適性の外に、どこかの省庁の「王冠」や大臣の「玉座」を求めての駆け引きや競争や抗争などの余計な要素を持ち込むことなく、職務に取り組むよう呼びかけた。

 しかし彼はその後の談話で、それとなく外交的な言い回しで、各国の国王や元首やレバノンの有力な友人たちがかなりの部分に寄与した様々な試みや対話から4ヶ月余りが経った後も新内閣の組閣を妨げている「瑕疵」に言及した。

 我々も「慈悲深い母」たるフランスの大使も承知していることだが、組閣や新大統領の選挙、議会選挙の実施、さらに議会における委員会のメンバー選出に到るまで、国外のあらゆる方向からレバノンの政治構造の内部に干渉が行われ、いずれも重大かつ極めて困難な展開を孕む事柄になっている。

 そしてこの政治構造はタンバリンのリズムがなくても、現在のような規模と量の介入がなくても、独りでに踊り出すような性質のものなのだ。

 これが現在、この国や全世界の人々の目の前で起こっていることである。どのような課題であっても、その規模や重要性の如何にかかわらず、最終的な決定の大部分は、地域内のどこかの国の首都が合意するか否か、といったことに左右されるのだ。はっきり言えば、それはイランの首都テヘランである。

(後略)

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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:17755 )