アンカラでの共和国記念日行事、軍と政府、冷え冷え
2009年10月29日付 Radikal 紙

(クルド問題に関する)「民主的解決策」と、「反動との戦い行動計画」についての論争が緊張化していることが、共和国記念式典にも反映した。大国民議会でアブドゥッラー・ギュル大統領が政党リーダーらと謁見した際、党首たちが互いに距離をおいて立っていたのが目についた。タイイプ・エルドアン首相と政党党首たちはお互いに握手しなかったのに対し、参謀本部長イルケル・バシュブー大将は、バイカル党首とだけ握手した。DTP党首のアフメト・チュルクは体調不良でこの式典を欠席したが、DTPの代表者たちは、この日を「Cumhuriyet Piroz be」というクルド語の言葉で祝福した。共和国交響楽団はアタテュルクの生前から今まで続いてきた伝統に従い、式典の間中ベートーベンの交響曲を演奏した。ギュル大統領は、新聞記者の新型インフルエンザを連想させる質問に笑顔で答えた。

■最初の式典はアタテュルク廟

アンカラでの共和国記念式典の最初の行事はアンカラで8:45にアタテュルク廟で行なわれた。式典には、ギュル大統領のほか、メフメト・アリ・シャーヒン大国民議会議長、タイイプ・エルドアン首相、参謀本部長イルケル・バシュブー大将、共和民主党党首デニズ・バイカル、民族主義者行動党党首デヴレト・バフチェリ、大国民議会運営担当で民主市民党ムシュ県選出国会議員スッル・サククも参加した。

■問題点を急速に改善する

ギュル大統領は、アタテュルク廟特別記帳台帳に「トルコは、民主化、人権、自由について大きな前進をし、国際的成功と、世界の平和・安定のために行なった貢献により、全世界の信用を勝ち得た。トルコは、問題点を急速に改善し、継続して前進を続ける。共和国を新しい歩みで強化し、近代世界の進歩を追い、民主化を継続させ、未来の世代へさらに安心した力強い国を残す強い決意をもっている。この過程で『トルコに平和を、世界に平和を』という、あなたの原則が我々に道を示し続けるでしょう・・・」と記した。

■国会で冷たい風

アブドゥッラー・ギュル大統領は、その後、大国民議会式場において共和国祝日を祝う謁見を行った。式場に初めて来場したのは、MHP党首バフチェリだった。式典が始まる直前に、CHPのバイカル党首、後からエルドアン首相が来場した。(クルド問題の)「民主的解決策」に関し、激しい非難合戦を繰り広げている各党党首は、謁見の前に、互いに握手をしなかった。バイカル党首とエルドアン首相はお辞儀だけで挨拶を済ませたが、唯一、参謀総本部長イルケル・バシュブー大将とバイカル党首だけが握手をした。

■「Cumhuriyet piroz be」

DTPのアフメト・チュルク党首は式典に参加しなかったが、国会運営担当スッル・サクク議員と国会議員であるハサプ・カプラン、ヌリ・ヤマン、ベンギ・ユルドゥズが党を代表して参加した。チュルク党首は体調不良により式典に参加できなかったという。式典に参加したDTP党員議員らが、式場で談笑した大臣や関係者に対し、共和国式典を「Cumhuriyeti piroz be」とクルド語で祝したことが注目を集めた。

参謀総本部長バシュブー大将は、式典が始まるまで軍の司令官たちと話しをしていた。カメラマンからの撮影の要求にもこたえたバシュブー大将は、後ろを向いて、新聞記者へポーズをとった。何人かの閣僚が、バシュブー大将や軍の司令官たちと会話をしているのが目をひいた国会における式典の後、エルドアン首相は、シャーヒン議長とともにしばらく歩きながらしゃべっていた。議会メインビルの扉まで一緒に歩いた二人は、扉で別れた。

■閣僚たちは、エレベーターで足止め

サドゥッラー・エルギン法務大臣、ベシル・アタライ内相、ビナリ・ユルドゥルム運輸相の3人は国会へ早くついていたにも関わらず、式典に遅刻したことが明らかになった。三人の大臣は大勢人が乗った国会エレベーターが故障して閉じ込められ、エレベーターが修理し終わる頃には、ギュル大統領の祝賀謁見が終わっていたという。議会の関係者たちは、5人乗りのエレベーターに大勢の人が乗ったのが故障の原因だったと明らかにした。国会警察は、この事態がめだたないようにするために、エレベーターのある場所を通行止めにし、(参加者を)迂回されたという。

■伝統が続いた

アタテュルク時代から今日まで式典に演奏で参加してきた共和国交響楽団は、(今年も)プログラムに参加し、今年もまたアタテュルク時代から伝統となっているベートーベンの楽曲を演奏した。共和国交響楽団は、今年は「英雄のマーチ」として知られている交響曲3番と5番を演奏した。

■新聞記者は誕生日を祝った

謁見を行ったギュル大統領は、メディア関係者にも祝いの言葉を述べた。ギュル大統領が「皆さんの共和国記念日を祝います」と言うと新聞記者は「誕生日おめでとうございます」と返事をした。ギュル大統領は、「共和国記念日は最大の記念日なので、我々は今日を誇りを感じ、幸せです。共和国を、それにふさわしい形で前進させる決意です。」と述べた。式典の間も多数の人と握手したギュル大統領へ向かって新聞記者は「今日はかなり握手しましたが、最近では危険ではないですか」と新型インフルエンザの影響を示唆した。ギュル大統領はというと笑ってやり過ごした。

■小さな閣議

ヒッポドロームでの式典までは国会で残っていたエルドアン首相は、あたかも小閣議のような会議を行なった。エルドアン首相は、ここでアフメト・ダヴトオール外相、ベシル・アタライ内相、タネル・ユルドゥズエネルギー・資源大臣、オメル・ディンチェル労働社会保障大臣、ニハト・エルギュン産業通商大臣、ムスタファ・デミル土木建設大臣とさらに何人かの党幹部らと、会談した。

■アタテュルク文化センターで、小規模な祝賀

共和国記念日にちなみ、アタテュルク文化センターにおいて公式パレードが催された。パレードには、ギュル大統領、シャーヒンTBMM議長、エルドアン首相、参謀総本部長バシュブー大将やその他の政府関係者に並び、一般市民も参加した。CHPバイカル党首とMHPバフチェリ党首は参加しなかった。このパレードに先立ち、ギュル大統領とバシュブー参謀総本部長が一緒に一般市民の前で挨拶をした。この際、一一般市民のいる場所でアゼルバイジャンの国旗が揺れているのが注目された。ギュル大統領とバシュブー参謀総本部長は、続いて式典を見るために貴賓席に移った。両者は、さきに(貴賓席に)来ていたエルドアン首相と合流した。ギュル大統領、エルドアン首相、バシュブー参謀本部長の会合は約10分続いた。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:17762 )