ダヴトオール外相、アルメニア議定書を議会説明「目標は正しい記憶の形成」
2009年10月22日付 Milliyet 紙
トルコ大国民議会の本会議でトルコ、アルメニア間で調印された(国交正常化への)合意文書に関する審議が行われ、反対の声と議論がまきおこった。アフメト・ダヴトオール外相は「合意文書が歴史を形作るであろう」と述べた。野党は合意文書が国会へ持ち込まれることを「不幸なことだ」、「軽率だ」と表現した。
公正発展党と民族主義者行動党(の党員)は、各会派を代表して行われた演説の最中に相互の演説をきかず、本会議場から退席した。
ダヴトオール外相が合意書について昨日トルコ大国民議会本会議で報告した際、民族主義者行動党からは、デヴレト・バフチェリ党首だけが本会議場に残っていた。ダヴトオール外相は、「トルコ周辺で解決されず残されている危機は、我々の手中で爆発しようとしている爆弾のようです。これらを取り除くことが必う要です。グルジアの件がそうであるように・・。」と述べた。
■「偏った歴史が作られた」
ダヴトオール外相は合意文書によって、トルコとアルメニア間に良い隣人関係を築くこと、過去の痛みを理由に二国が互いを攻撃しあう状況をとりのぞくたこと、そして、アゼルバイジャンの国土保全を確保しつつ、二国間の問題を解消すること、という三つの目標を基礎として交渉が行なわれ、そしてこの目標に到達したと述べた。
ダヴトオール外務大臣は、合意書に基づき、「民族浄化」の疑念に対する委員会の設立が予定されているとし、次のようにのべた。
「我々には辛い記憶が詰まった移住の実話があります。しかし我々はそれを語りませんでした。語ったのは他の多くの民族で、我々に向けて一面的な記憶が形成されてしまいました。我々の目標は公正な記憶を形成することです。」
ダヴトオール外務大臣が「トルコにとって、アゼルバイジャンの領土保全は、我々の領土保全と同義である」と述べたのに対し、野党の議員たちからは頻繁に野次がとんだ。共和人民党のジャナン・アルトマン議員が「歴史編纂委員会」について、トルコ大国民議会が2005年に行なった決議は「過去のものになったtarih oldu」と言ったのに対し、アフメト・ダヴトオール外相は、「過去のことtarihとはなっていない。今後、あのときの文書をもとに、歴史tarihがかかれる」と返答した。
野党の発言者が、「アメリカの指示を受けたのだろう」という批判にも答えたダヴトオール外相は、そうした批判は道徳的な原則に照らしても正しくないと述べた。
民族主義者行動党のオクタイ・ヴラル会派代表は、公正発展党の国会議員たちは、アルメニアとの国境開放をアメリカのオバマ大統領から教えられたのだろうと述べた。ヴラル議員は、「この合意書にサインをするのは公正発展党政府だけだ」と述べた。
■民族主義者発展党は退席、バフチェリ党首のみ残る
共和人民党のイスタンブル選出シュクリュ・エレクダー議員も、この合意書が、アゼルバイジャンとの間の信頼関係を揺るがし、国境問題さえ発生させかねないとの見方を示した。公正発展党を代表して意見をのべたオメル・チェリキ議員は、野党のいっていることは、アレキサンドル・ドゥーギンが長をつとめる「汎ユーラシア主義の引き写しであると発言した。これに対し民族主義者行動党が反発した。しかし、チェキリ議員は、実は、名前はださないものの、共和人民党を指していた。リゼ県選出無所属のメスート・ユルマズ元首相は、このテーマは、日を改めて特別日程で議論する必要があり、政府の合意書に対する扱い方には不快感を覚えると述べた。議場では、民族主義者行動党の会派代表を登壇すると公正発展党の議員たちが、(公正発展党の)チェリキ議員が登壇すると民族主義者行動党議員が退席した。議場には、ヴラル議員とバフチェリ党首のみが残っていた。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:17803 )