次のPKKメンバーの帰還は静かに―「クルド問題解決策」の内容、明らかに
2009年11月07日付 Milliyet 紙

クルド労働者党(PKK)メンバーの北イラクからトルコへの帰還において見られたお祭り騒ぎが原因で、政府は次の帰還を一旦見合わせていたが、来週「環境が整えば」、再開することになる。
クルド労働者党(PKK)メンバーの北イラクからトルコへの帰還において見られた、お祭り騒ぎが原因で、政府は次の帰還を一旦見合わせていたが、来週、「環境が整えば」、再び帰還が行われる。政府は、今回は「静かに」帰還させるとしており、クルド問題解決策の枠組みにおいて進められる具体的な行程も明らかになりつつある。この枠組みにおいて、子ども向けにTRT6でクルド語のアニメが放送され、大人向けにはコーランのクルド語翻訳版が作成される予定だ。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相主導のもと、先日公邸で行われた民主的解決のためのトップ会議の中で、新たなロードマップが明らかにされた。
山からの投降計画は、今月、「社会的環境」が整ったなら、継続される。帰還が「お祭り騒ぎ」にならないように、あらゆる対策が講じられる。PKKを連想させる服装は制限される。
政府はマフムル・キャンプを一掃することを目標にしており、帰還はまずここから行われる計画となっている。政府は、マフムル・キャンプを、カンディル・キャンプからの帰還者にとっての「中継地点」とすることを予定している。
帰還において、国境に臨時の裁判所を設けないこと、「犯罪に加担していないこと、および刑法第221条(犯罪組織に関し、改悛に基づく行動に対する法的措置)の適用要求」の条件も継続することが明言された。マフムル・キャンプからの帰還者は、親族の元か、又は以前の居住地に行くことになっている。マフムル・キャンプで産まれた子どもたちについても、住民手帳が発行される。

■リハビリ施設

マフムル・キャンプでは、犯罪に加担した者が約500人いること、帰還できる者は4000人いること、このキャンプから帰還する者のためにリハビリ施設が建てられることが予定されている。シリア系のPKKメンバー1500人についても、シリアに帰れることになると述べられている。

■エルドアン首相が発言する

トルコ大国民議会で11月10日に行われる事前協議で、ベシル・アタライ内務大臣は、(クルド問題解決策の)プロセスに向けて、議員らに情報を与える予定だ。エルドアン首相も、11月12日に行われる一般討論演説で発言することが明らかになった。エルドアン首相は、帰還に関して呼びかけを行い、クルド問題解決策は国家プロジェクトであると明言しつつ、幅広い支援を求めることになる。

■ロードマップの内容は?

‐ロードマップの枠組みより、政府は殉職者遺族と面会する
‐国境地帯に関する取り組みがなされる。村落防衛制度は最初の段階では廃止されない。時期が来れば、一定の年になった者は引退させられる。(村落の)名前がクルド語になる
‐独立人権団体が作られる
‐クルド語プロパガンダが可能となる
‐ヨーロッパ人権裁判所の判決を再審の根拠と見なすことに関する修正案が、トルコ大国民議会を通過する予定。「ヨーロッパ人権裁判所決定修正案」により、211人に再審への道が開かれることとなる。

■選択科目への道が整いつつある

‐クルド語を選択科目にすることに関して障壁となっている憲法第42条について、専門家による審議がなされる
‐ラジオ・テレビ高等委員会(RTÜK)でいくつか変更がなされる。これにより、クルド語で放送されるラジオ・テレビチャンネルが設けられる。TRT6の放送内容がより豊富になり、クルド語のアニメが放送される
‐宗務庁は、クルド人の多くが「シャーフィー派(イスラム法学の一つ)」であることから、シャーフィー派法学書のクルド語翻訳版を発行する。また、コーランのクルド語翻訳版も作成する
‐高等教育機構規則に変更がなされる。大学ではクルド語研究機関が設立される

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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:17828 )