ハドラマウトでイエメン治安当局者の車列に奇襲、アル=カーイダの犯行か
2009年11月04日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 嫌疑の矛先は「アル=カーイダ」に
■ 拘束中のイラン籍船はアラブの複数の港に寄港していた
■ イエメン:「奇襲でハドラマウト県治安・情報局長とハドラマウト渓谷情報局長が殺害され、同行者7名も死亡」

2009年11月04日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【サヌア:本紙ハーリド・ハンマーディー】

複数の報道筋が昨日伝えたところによると、火曜日の午後、イエメン東部のハドラマウト渓谷で、正体不明の武装集団が治安当局の公式代表団が乗った車列を奇襲し、治安局長と情報局長が殺害された。

アル=アブル地区で待ち伏せしていた者たちによる奇襲により、ハドラマウト渓谷治安局長のアフマド・サーリム・アル=アーミリー氏と、サイユーン市政治保安局長のアフマド・バーワズィール氏のほか、クトゥン市副治安局長と同行者7名が殺害された。被害者たちは、サウジアラビアとの国境にあるアル=ワディーア検問所から戻るところだった。

独立報道局「ニュース・イエメン」のウェブサイトは、この公式代表団に加わっていた独自の情報筋の発言をこのように報じている。「武装集団が保健局長と同行者が乗っていた車を停止させ、強奪した。昨日の午後2時間半ちょうどのことだ。車列が通りかかると、彼らは政治保安局長とハドラマウト治安局長の乗った車に発砲した。その最中、車が公道を走行中だったタンクローリーに衝突し、結局、車は2台とも炎上して同行者もろとも焼死した」。

公式筋がこの情報を否定も確認もしない中で、ハドラマウト県の一部の政府筋は、正体不明の武装集団による奇襲が原因でこの事故が起こった可能性に言及した。また事故の性質上、詳細は明かされておらず、ハドラマウト県のサーリム・ハンバシー知事の声明でも、治安部隊の車列への奇襲によってこの事故が起きたことを否定も肯定もしていない。

先ほどと同じ筋が明かしたところによると、この公式訪問団にはハドラマウト県副知事と副知事補佐、イエメン・サウジ実業家評議会のイエメン側代表といった、ハドラマウト県高官が乗った車両が加わっていた。彼らはイエメンとサウジの間の自由貿易地域に予定されている開発都市視察のため、アル=ワディーア検問所へ公務で訪問したところだった。

事情に精通した筋が本紙に語ったところによると、ハドラマウトの治安責任者に対するこの奇襲について、嫌疑の矛先は「アラビア半島と湾岸地域のアル=カーイダ」に向けられている。その理由は「このような作戦の実行で唯一利益を得るのは彼らだから」だという。多くの筋がこの推測を支持しており、この地域のアル=カーイダ勢力はマアリブやシャブワ、ハドラマウトの各県の砂漠地帯を、イエメン治安当局の目を逃れて活動する拠点にしていると断言する。

こうした最中、イエメン政府の公式報道官であるハサン・アフマド・ラウズィー情報大臣は、イエメン当局が拿捕したイラン船の問題について、アラブ各国の当局と連絡協議を続けていると発表した。このイラン船は先週、イエメン治安部隊によって拿捕されたもので、〔イエメン北部の反乱勢力〕ホースィー派への武器を積んでいた。

同大臣は昨日の記者会見で、「この連絡協議の結果、先週イエメン沿岸で捕縛されたイラン船と5人のイラン人乗組員は、湾岸諸国の港と思われるいくつかの港に寄港していたことが明らかになった」「このイラン船はいまだ留め置かれており、5人のイラン人乗組員への尋問がイエメン当局の手で続けられている」と発表した。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:17847 )