国会で歴史的1日―「クルド問題解決策」本審議はじまる
2009年11月13日付 Hurriyet 紙
トルコ大国民議会の本会議で(クルド問題に関する)「民主的解決策」の特別審議が行なわれた。最初にアタライ内務大臣が登壇した。アタライ内相は、中期および長期にとられる対策について説明した。アタライ内相に続いて、民主市民党(DHP)のアフメト・チュルク党首が壇上に登った。チュルク党首は、この問題が、国家の失策の結果、起きたことを主張した。チュルク党首に続いて民族主義者行動党(MHP)のバフチェリ党首が演説した。バフチェリ氏は、解決策が延期されること、そして(MHPの)4項目の提案が実行されることを求めた。バフチェリ党首に続いて共和人民党(CHP)のバイカル党首が演説した。バイカル党首は、(この案は)PKKを喜ばせるだけだと述べ、「政権与党とイムラリ島(のオジャラン)が協力している」と述べた。バイカル党首に続いて公正発展党(AKP)を代表してオメル・チェリキ議員がマイクの前に来た時、(傍聴席の)抗議行動が演説を遮った。シャーヒン大臣は傍聴席のカーテンを閉めた関係者らを厳しい言葉で咎めた。そのあと壇上に登ったエルドアン首相は、野党について言及し、「このプロセスに反対する者は、戦死者の棺の数が増えることを望んでいる」と述べた。エルドアン首相のこの言葉は共和人民党党員らの反発を呼んだ。共和人民党は本会議場から退席した。
トルコ大国民議会のメフメト・アリ・シャーヒン議長が議長を務めた審議では、共和人民党のデニズ・バイカル党首、民族主義者行動党のデヴレト・バフチェリ党首、民主市民党のアフメト・チュルク党首、公正発展党を代表してオメル・チェリキ氏が各政党の所見を述べた。政府を代表し、批判に対してレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が答弁した。エルドアン首相は、演説の際、野党に対し「戦死者の棺の数が増えることを望んでいる」と述べた。この発言によって共和人民党は本会議場を退席した。
火曜日(10日)行われた事前審議では、緊張が高まり、時折国会議員らは大きな声をあげた。共和人民党党員らは、解決策(の内容)と(今回の提案の)タイミングに抗議するために批判ポスターを掲げていた。
■バイカル:こんな馬鹿な話はない
エルドアン首相の(「(野党は)戦死者の棺の数が増えることを望んでいる」という)発言を批判した共和人民党のバイカル党首は、「国を解体しようとしている」と述べた。バイカル氏は、「すべてが明らかだ、最善の形であなたがた(メディアが)論評すると信じている。国を壊し、誘惑tahrikし、解体しようとしている。野党に対して戦死者の棺が運ばれてくることを望んでいると言い、首相も含め誰も口にすることのできない主張ithamを、恥ずかしげもなく口にしている」と述べた。
■バフチェリ「恥ずべき演説」
民族主義者行動党のデヴレト・バフチェリ党首は、エルドアン首相の野党に対する批判に厳しい返答をし、「大変恥ずべき演説をした。(地位に)ふさわしくないやり方だ。時間が経つにつれて一層混乱している。一度、我に帰って考えたらいい」と述べた。バフチェリ氏は、記者らの「会場から退席することは考えましたか」という問いかけに「民族主義者行動党に放棄という概念はない」という返答をした。「(クルド問題)解決策に関して十分な情報が得られたか、得られなかったか」という問いかけには、バフチェリ氏は、国会でもう一度審議が行われるべきだと述べた。
■(国連の)任意議定書が数日のうちに国会に
ベシル・アタライ内務大臣は、国連の「拷問と暴力のに関する任意議定書」が数日のうちに国会に提出されることを明らかにした。アタライ内相は、本会議審議の間中で、(クルド問題の)民主的解決策に関する要素がその中に含まれるとされる任意議定書が数日のうちに国会に提出されること、他の提案の提出については数週間かかることを明らかにした。アタライ内相は、任意議定書の特徴は、拷問についてトルコが国際的な査察に開かれているということだと説明した。アタライ内相は、「この査察は強制力のあるものなのか」との問いにもちろん強制力があると答えた。アタライ相は、首相府の人権委員会がより独立した状態になるであろうと説明した。
■2人の学生がアメリカへ抗議
公正発展党を代表して演説したオメル・チェリキ氏が壇上に登った際、傍聴者の中にいた2人の学生が「アメリカの拡大に道を開くな」というスローガンをさけび始めた。議場警備員は、イルカイ・アルカイという名の「トルコ青年連合」の女子生徒と、名前を明かさなかった男子生徒を会場からつれ出した。彼らは外で逮捕された。抗議者らが外に出された後、傍聴席のカーテンを閉めようとした関係者をシャーヒン議長が咎めた。シャーヒン議長は、その後傍聴者らに内規の関連事項を読み上げ、静かにするよう呼びかけた。
■共和人民党党員らは退席
(エルドアン首相は、次のように述べた。)「この解決策過程の内容を知らなかったために反対した者がいる。彼らに十分に説明することは我々の課題だ。懲りることなく、倦むことなく一軒一軒回って説明するつもりだ。この解決先が実現すれば、(この問題の)政治利用の門戸は閉ざされる。暴力、戦死者の棺を利用して政治を行う者がいる。さらに、戦死者がもっとでたらいい、そうしたら、もっと呼ぼうと言う者さえいる。」
エルドアン首相のこの発言の後に共和人民党の幹部たちは大声で反対を叫び、共和人民党は本会議を放棄した。
■国会で初
公正発展党は、エルドアン首相と、アタライ内務大臣、アダナ選出オメル・チェリキ議員の国会演説のテキストを国会で国会議員らに配布した。
■チュルク党首「どこにも具体的なことはない」
会議が終了した後、民主市民党のアフメト・チュルク党首は、記者らの問いかけに返答した。演説をどう評価したかという問いかけに、アフメト・チュルク党首は、次のように答えた。「中どこにも具体的なことはない。ただ、そこには、民族主義者(のMHP)とナショナリスト(であるCHP)の言い方を非難する発言があっただけだ。しかし、プロジェクト(の内容)がはっきりしてくれば、より正確に評価できるだろう」。アフメト・チュルク党首は、「失望したか」との問いには次のように答えた。「望みは捨てないが、間違った発言が緊張状態を生みだしている。」
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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:17868 )