オイメン副党首の言い分―ディルスム反乱をめぐる国会発言
2009年11月16日付 Milliyet 紙
国会での発言が批判の的になっている共和人民党(CHP)オヌル・オイメン副党首は、「デルスィム蜂起を抑圧したのは私だというのか。私がファシストであるならアタテュルクは何なのだ」と話した。
共和人民党(CHP)オヌル・オイメン副党首は、トルコ大国民議会(TBMM)での、(クルド問題に関する)民主的解決策に関する事前審議で発言し批判の的となっている「デルスィム蜂起」への言及について、ミッリエト紙の取材に答えた。
オイメン副党首は、(国会において)「公正発展党(AKP)は、『アタテュルクだったら彼もこのようにしただろう』と言ってテロ組織との交渉を進めている。これに対し『アタテュルの名前を利用するな。彼だったらそれ以上のことをしたはずだ』と主張するためにデルスィムに言及した。私たちをファシストと呼ぶのは乱暴だ。私がデルスィム蜂起を制圧したとでもいうのか」と話した。11月10日に国会で演説をしたオイメン副党首は、「アタテュルクはシェイフ・サイトと交渉しただろうか?デルスィム蜂起に加わったひとたちと交渉しただろうか?(解放戦争時に)誰かが立ち上がって『母たちを泣かすな、私たちはギリシャ人たちと和解しよう』と言っただろうか?シェイフ・サイトの反乱において母たちは涙を流さなかったのか?デルスィム蜂起において母たちは涙を流さなかったのか?」と発言した。オイメン副党首のこの発言は、トゥンジェリの人々をはじめ多くの人々からの批判を呼び、文書で釈明したにも関わらず批判を収められずにいる。オイメン副党首は次のように語った。
■「(AKPのせいで)いわざるをえなかった」
「これらの事件では多くのひとの命が失われ、つらい思いをした。私たちはつらい過去をもちだしたくはない。しかし、アタテュルクが武力に訴える人たちと交渉を行わなかったことを明らかにするのも、私たちの任務である。40年間、私は死刑制度の廃止を訴えてきた。(しかし)武器を離さない人々とは、交渉ではなく、戦いが行なわれるべきだ。自分で言った覚えのない言葉が、まるで私が言ったかのように一人歩きしている。今日に至るまで私がアレヴィー派を侮辱する言葉を一度でも言ったことがあるだろうか?アレヴィー派は最も近代的なひとたちだ。アタテュルクの発言においてアレヴィーに対して一度でも否定的な言葉があっただろうか?彼らは挑発されている。私はアレヴィーという言葉を用いていない。デルスィム蜂起は、アレヴィー派の反乱であったのか?『なぜ、あの件に言及したんだ』という人もいる。なぜなら、私たちはいわざるをえなかったのだ。『アタテュルクだったら、あなたたち(AKP)がやっていることは行わなかった』と私は言った。私がファシストであるならアタテュルクはどうなのか。私を利用して、アタテュルクと彼の同胞を侮辱してはならない」
「そんな力がなるのなら、当時の政府の責任者、当時の首相、大統領、参謀総長に対していわせればいいだろう。アメリカは、「(平和的な)解決策」でアルカイダ問題を解決するだろうか?アタテュルクはチャナッカレの戦いで『あなたたちに死を命令する』と言った。この言葉を言ったとき、アタテュルク自身を含め、母たちが涙を流すことを知らなかっただろうか?だれかが立ち上がって『私たちは多くの戦死者を出した。母たちを泣かすな』と言っただろうか?(逆に)みなが賞賛を与えた。一部の人たちが『おまえはアレヴィー派の敵だ』と言ってプロパガンダを行っている。しかし、AKP党員たちでさえ、国会における私の発言の後、傍にきて祝福をしてくれていたのだ。アレヴィーたちも私に電話をかけ、『私たちはあなたに敬意を表する』と言ってくれた。善意に考えば、(批判をする)連中は勘違いをしたのだ。しかしながら、人々につらい思いをさせたなら、私は謝罪する。」
オイメン副党首は、「『発言をしなければよかった』とおっしゃいましたか?」という質問に対し、「発言が人々につらい思いを与えたことは、遺憾である。しかし、デルスィム蜂起に言及しなかったとしても、『トルコにおける武力蜂起』と言い換えたところでどんなちがいがあっただろうか」と答えた。
■ユルマズ・アテシ「その件はもうおわり」
トゥンジェリ出身のCHP副党首ユルマズ・アテシは、昨日ひらいた記者会見で次のようにのべた。
「デルスィムは私たちであり、私たちこそがデルスィムだ。トゥンジェリは私たちであり、我々はトゥンジェリだ。会派代表のケマル・クルチダルオールもトゥンジェリ出身だ。この件を党本部会議で議論した。バイカル党首は、この例示が適切ではなかったとした。しかし、バイカル党首も、「犠牲者の血が流すな」というAKPの言葉には反発している。」と述べた。
「戦死者たちをケッレ(一にぎり)といったのは、首相の方ではなかったか。オイメン氏は、紳士的な態度で、発言に対し陳謝した。しかし我々は、首相が戦死者に対し、ケッレっといったことにも謝罪を要求する。我々としては、この件はもう終わりにした。」
■抗議つづく
オヌル・オイメンCHP副党首の「デルスィム蜂起」発言に対する抗議は、昨日も続いた。トゥンジェリ出身者教会、アレヴィー・ベクタシ連盟をはじめとする複数の協会はディヤルバクル、メルスィン、トゥンジェリ、エラズー、イスタンブルで抗議行動を行なった。ベイオールでの抗議行動では、「アレヴィー派に権利を!セイイト・ルザーとその同胞はどこに葬むられたのか明らかにせよ」と書かれたプラカードがかかげられた。
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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:17886 )