ギュル大統領「EUによる加盟交渉決定はジョークではなかったはず」
2009年11月17日付 Radikal 紙

アブドゥッラー・ギュル大統領は、トルコのEU加盟プロセスで特別待遇(譲歩)は期待しないし、交渉プロセスを成功裏に終えさせるために、「邪魔をしてもらいたくない」と述べた。ギュル大統領は、「必要もないのに邪魔をしたりあるいは必要もないのに問題を引き起こすなど、法的根拠のないことであることを、私は皆さんに思い起こさせたい。ベルリンの壁を崩壊させたヨーロッパは、ヨーロッパの別の場所に新たなベルリンの壁を作ろうとでも言うのだろうか。これは率直に言って考え方がおかしい」と語った。
トルコを公式訪問したイタリアのジョルジョ・ナポリターノ大統領は、大統領官邸で公式セレモニーと21発の礼砲で迎えられた。セレモニーにはTBMM(トルコ大国民議会)のメフメト・アリー・シャーヒン議長、タネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣、フェリドゥン・スィニルリオール外務次官が参加した。

■ EUは冗談半分でやったはずはない
会談後の共同記者会見で質問に答えたギュル大統領は、イタリア人記者の「トルコはヨーロッパとは同じ文化を共有してはいないという一部のヨーロッパの政治家たちの発言を受けて、トルコ・EU関係をどのように評価するか」との質問に次のように答えた。
「トルコのEU加盟プロセスは法的根拠のあるプロセスだ。EU首脳会議が2004年に決定を下した際に、冗談半分でやったはずはないし、とりあえず「どうにか乗り切ろう」などとは言わなかった。非常に長きに渡る努力、議論、戦略的な数多くの文書を何度も何度も読み返しながら、プラス面マイナス面を並べた結果、『トルコのEU加盟が欧州連合に大いに貢献することは確実である』との結論に達し、その後全会一致で交渉開始を決定し、調印した。パクタ・ズント・セルヴァンダの原則は、国際関係や国際法の基本原則である。これは皆さんを拘束するものである。

■ 邪魔をしてもらいたくない
経済的かつ人口的な大国がEUと統合することは、常に痛みを伴うものだ。過去の例を振り返ると、イギリスにもスペインにも同じようなことがあった。トルコにとっても同じプロセスをたどると確信している。ここで重要なことは次のことである。トルコはやるべきことをやるだけである。交渉プロセスを成功裏に完了し、トルコの基準を欧州連合の基準に押し上げるつもりだ。ヨーロッパのどの国からも我々に対する特別待遇を期待してはいない。この交渉プロセスを成功裏に完了させるため、率直に言って邪魔をしてもらいたくないのだ。つまり皆さんには我々のことを見ていてほしい。我々が成功できなかったとしたら、そのときはまちがいなく 『いいえ、あなた方が成功できなかった』と言うにちがいない。必要もないのに邪魔をしたり、必要もないのに問題を引き起こすことは、法的根拠のないことであることを、私は皆さんに思い起こさせたい。

■ 新たな壁を築かないように
政治的観点からも見ると、ヨーロッパはもう20年前にベルリンの壁を壊した。我々はこのことを先週祝福した。ベルリンの壁を崩壊させたヨーロッパは、ヨーロッパの別の場所に新たなベルリンの壁を作ろうとでも言うのだろうか。これは率直に言って考え方がおかしい。
我々は、このことをあまり議論の種にはせず、なすべき仕事をする。我々は自身の仕事をこなし、交渉プロセスを成功裏に終えるつもりだ。そうすれば欧州連合は一つにまとまり、『トルコはまさに成功裏に交渉を終えた。我々は一つになれる』と言うだろう。一部の国はレファレンダム(国民投票)を決めた。これらの国民はトルコと一緒になりたいとは思わない可能性もある。我々もそれを、敬意を持って受け止めるつもりだ。私にはわからないが、そうしたらトルコの国民は何と言うだろうか。その時どうなるかを今話すことは非常に間違っていることだと思う。これは我々が行った調印(の意味)を、十分に尊重されない形で結論付けることであり、これは大いに信頼の危機を生むだろうし、ヨーロッパに似つかわしくない。欧州は今日では世界の最重要な“役者”の一人である。この先もさらに重要性を増すべきである。このような態度や、不信をもたらす行為は、欧州連合に似つかわしくない」

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:17895 )