コンヤ・メヴラーナ廟、修復すすむ
2009年11月20日付 Radikal 紙

メヴラーナ博物館で始まった修復工事では、まずデルヴィーシュ(修行僧)の宿坊を16世紀の状態に復元する作業が進められている。

メヴラーナ博物館では、約3ヶ月前から修復工事が始まった。これはこの博物館の歴史上最も包括的な修復工事で、まず最初にデルヴィーシュたちの宿坊とミナレットの修復が始まった。アレム(ミナレットの頂につける金属の飾り)から土台まで手がけられたミナレットの修復は完了し、デルヴィーシュの宿坊では意欲的な修復作業が進められている。

また、修復作業全体では、博物館のシンボルであるハドラ・ドーム(緑のドーム)のはげたタイルが新しいものと取り替えられ、古いタイルは修理される予定だ。博物館のショーケース・システムも変わり、展示品は新しいケースに並べられる。博物館内外の照明システムも変更され、博物館はその雰囲気にあった形で整えられる。庭も整備されることになっている。

メヴラーナ博物館のユスフ・ベンリ館長は、博物館で約3ヶ月前に始まった修復作業でデルヴィーシュの宿坊での作業が続いていること、見学者の流れを乱さないために、全ての修復作業を少しずつ進めていることを明かした。

■デルヴィーシュの宿坊は16世紀の状態に戻される

ベンリ館長は、デルヴィーシュの宿坊について、16世紀の元の状態になるよう、1部屋ずつ作業が進められていることを説明し、「博物館の歴史上、最も包括的な修復を行っています。デルヴィシの宿坊にある17の小部屋の部屋の仕切りの部分が見えるようになります。小部屋の間にある全ての壁は取り除かれた状態でした。我々は再び小部屋を一つ一つ分けます。窓、ドア、高さなどを元の状態に戻します。16世紀のデルヴィーシュの部屋での暮らしがどのようなものであろうと、その状態に戻そうとしているのです。」と語った。

また、ベンリ館長は、博物館ではここ数年で建築物にいくつかの変更があったと述べ、次のように続けた。

「例えば、デルヴィシの宿(ハーン)の門にあった建造碑文が取り除かれました。修復では建物と一緒に作られた碑文も元あった場所に置く予定です。修復が完成した際には、小部屋には新たな機能が加わり、新たな展示品が並べられ、皆が知っている博物館のイメージとは全く違ったものになるでしょう。これらの部屋の中では、我々が「4番部屋」と呼ぶ小部屋で、16世紀から残る床が出土しました。この床もオリジナルどおりに保存されます。また、この作業の間、出土したものはすべて1つの部屋に展示されます。現在、展示整理の専門家たちが、この部屋について作業を進めています。我々はこれらの部屋をより『様々な対話のできる展示室』としたいと考えています」

■メヴラーナ大祭(シェビ・アルス)には間に合わない

ベンリ館長は、「デルヴィシの宿坊の修復はメヴラーナ大祭(シェビ・アルス)の儀式には間に合わないだろう」と述べた。館長は、修復作業が、全てのものを元の状態に修復するのに、適切で十分な時間の余裕をもって行われることを優先したいとし、次のように続けた。

「確かに我々も宿坊(の修復)をシェビ・アルスの儀式に間に合うことを望んでいました。ただ展示整理もこの作業に含めた場合、現在の条件の下では、儀式に間に合わせることは不可能です。しかしデルヴィシの宿坊の他に、聖廟(フズル・ピル)や他の部分には入ることができます。メヴラーナ大祭(シェビ・アルス)の儀式は最も多くの方が来館される時期です。儀式の間、博物館にスムーズに入場していただきたいと思っています。このために現在さまざまな作業を進めているところです。この時期のために万全の体制を整え、入退場をスムーズにして、(作業中でも)引き続き開館したいと思っています。

■修復作業は来館者数に影響せず

2008年に来館者数が約200万人であったことを指摘したベンリ館長は、修復作業は来館者数に影響しなかたと述べた。彼は、世界の様々な博物館で、修復作業中は観光客への開放を断っていると言い、「しかし、我々はそうはせず、博物館を開館しつづけました。2008年10月に外国人観光客は2万4000人でしたが、2009年の同月には5万人が足を運んでいます。この数字も、修復作業が来館者数に悪影響を与えなかったことを示しています」と語った。
ベンリ館長は、デルヴィシの宿坊の修復作業は2010年の春に終了予定であり、また全ての工事はあと2年かかるだろうと付け加えた。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:17918 )