サウジ紙の報道によれば、メッカ商業・産業会議所、ホテル・観光協会のハリル・バハドル代表は、ホテルと家具付きアパートメント・フラットへ投資している投資家たちの収入が今シーズン70パーセント減少したと語った。バハドル代表は、投資家たちが今年の巡礼シーズンと新型インフルエンザ感染の怖れからラマザン（断食月）の間に収益を減らし、損失は2億6700万ドル（約2兆3750億円）に達すると予測されると説明した。

■旅行部門は拡大するだろう

このことに平行して、サウジアラビアの宗教観光とビジネス部門は、2013年までに年間6パーセントほどの増加を期待していると明らかにした。ビジネス・モニター・インターナショナルが最終四半期を調査した報告書によれば、厳しい入国ビザ（査証）の規則と制限にもかかわらず、これらの産業は力強く拡大する可能性を秘めているという。試算によれば、サウジアラビアのホテルの部屋数は、2013年には32万1千室に達し、サウジを訪れる観光客数は2009年と変わらず1200万人となることが期待されるという。

報告書では、観光業を活発化させるもっとも重要な要素のひとつが宗教観光であり、Ｈ１Ｎ１ウイルスや新型インフルエンザの（感染の）怖れにより、今年の巡礼者数は少し下落することが予想される。サウジが世界最大の石油輸出国であり、防衛のような他の大きな産業においてもいい顧客であるため、ビジネス旅行セクターも拡大することが見込まれるという。

今年、ロタナ、ハイアット・ホテル＆リゾート、アコールグループ、ラッフルズホテル＆リゾートのような国際的（ホテル）チェーンは、ホテルを開業し、他の経営者も業務拡大を継続しているという。サウジ当局は、国民が国内の異なる場所を訪問することを奨励し、外国で使うお金を国内経済へもたらすよう働きかけているとした。報告書は、この働きかけにもかかわらず、2008年で630万人のサウジ人が国外へ旅行し、この数字は2013年には853万に達するとみられることを強調した。

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（ 翻訳者:岸田圭司 ）
（ 記事ID:18012 )