公正発展党(AKP)の会派代表エリタシュ氏:政党は国民の支持で生まれ、国民の支持を失えば、その役割を終える。解党命令は民主主義と法的国家の基準を高める効果を生まず、逆に弊害を与えた。
公正発展党会派代表のムスタファ・エリタシュ氏は政党が解党される「場所」が国民でなければならないと述べ、「政党は国民の支持で生まれ、再び国民の支持を失った状態で解党される」といった。
民主市民党(DTP)の解党に関する記者らの質問に答えたエリタシュ氏は、「公正発展党は、原則として、政党が解党される場所が国民であるべきだという考えを繰り返す。政党は国民の支持で生まれ、国民の支持を失ったら解党される」と述べた。エリタシュ氏は、憲法裁判所が下した決定に対して、民主主義社会と法的国家のもとでは、全国民がこれに従わなければならないとのべ、全ての人がこの決定に関してそれぞれの役割を果たす義務があると述べた。
エリタシュ氏は、「憲法裁判所は、この決定を、(同党が)テロと関係があるという根拠のもとで下している。将来行われる(憲法裁判所に関する)法改定でこれも取り除かれるのか」との問いに「いや、いや…そういうことではない。政党は、現行法の範囲内で社会の平穏と繁栄を保障することを目的としているものでなくてはならない」と答えた。
ある記者の「DTP解党にともなって政治はこの先どうなるのか。(クルド問題)解決策プロセスもあるし…」との問いにエリタシュ氏は次のように述べた。「我々の解決策の進展は、DTP解党とは関係ない、トルコの民主化のために行っていることだ。トルコの民主化のため、(クルド問題)解決策プロセスは、どんな環境においてもどんな形でも続いていく。解決策とは、平和と友好、国家統一と連帯の計画である。「国家統一と連帯」のプロジェクトとは、全員が互いに理解しうること、互いに我慢すること、互いの考えに同意しないとしても敬意を表す、ということである。どんなに急進的な考えであったとしても、その考えを表明する機会がなければならない、社会が、そうした(極端な)意見に対し、必要な反応をできるようでなくてはならない。」
■国民の一部は認め、一部を認めない…
エリタシュ氏は、「DTP解党にともなって(南東部)地方での緊張が一層高まるという見方に賛成しますか」との質問に関しては次のように答えた。「そうならないようにしなくてはいけない。通常の条件下ではそうならないはずだ。我々は憲法の範囲内で憲法裁判所が下した決定には従わなければならない。これに対しておそらく批判的な反応があるかもしれない、しかし極端な反発は民主主義構造の内部で否定的側面を生み出す。我々の目的は、トルコで民主主義を優勢にすることである。民主主義を優勢にするという口実で、民主主義的でない、無理な、または異質の発言をすることは、民主主義と矛盾する行動である。民主的な反対行動をする際に、民主主義的でない行動をするべきではない。」
エリタシュ氏は、ある記者の「DTPの国会議員らは、以前から、もし解党命令がでたら、現職議員全員が議員辞職すると言っていました。もしそうなったら、本会議で彼らの辞表を審議することになりますが・・」という発言に対して、「彼らが…自分で決めることだ。まだ起こっていないことに関してコメントすることは適切ではない。彼らは、自身の意見を述べたのだ。彼らの考えに従い、人々に訴えかけると言っている。人々の一部は彼らの声に耳を傾けるだろう、しかし、一部は認めないだろう、それは人々と彼らの間における、法に規定された問題だ。まだ(辞職という)この件についてなされた発言はまだ1つだけだ。この問題はトルコ大国民議会(TBMM)に提出されていないため、コメントするのは適切ではない」と述べた。
■解党決定は問題を解決していない
公正発展党会派代表のベキル・ボズダー氏も(憲法裁判所の)決定についてコメントする際、原則として公正発展党が政党解党に反対だとのべ、「今日まで下された解党決定は民主主義の基準も法的国家の基準も向上させなかった。その逆に、全ての解党命令は、我が国の法と民主主義に害を与えてきた。つまり、今日まで下された解党決定は、いかなる問題も解決しなかったことだ」と話した。
ボズダー氏は、存続に終止符を打たれた政党が法人資格を失ったにも関わらず、別の形で存続を続けていると指摘し、「とはいえ、これは裁判所の判決だ。全員に関係があり、全員が従わなければならない決定である」と述べた。
■国会議員らは控室で観ていた
憲法裁判所によるDTP解党決定は、トルコ大国民議会(TBMM)の本会議が行われているときに発表された。公正発展党の国会議員らは、憲法裁判所のハーシム・クルチ長官の説明を控室のテレビで観ていた。公正発展党のアブデュルカーディル・アクス副党首は、記者らの問いかけに対し、決定についてコメントすることを差し控えた。
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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:18055 )