マルディン経済、活況-対シリア・イラク貿易、活発に
2010年01月09日付 Yeni Safak 紙

マルディンで15の工場が操業を開始し、20の新規申請がある。

シリアとのビザ適用撤廃と、イラクとの関係 が正常化したことが、マルディンの経済にポジティブに反映した。マルディンでは、ここ1年間で2億7000万ドルの輸出が行われ、同じ1年間で15の工場が操業を開始し、20の工場は設立のため申請が行われた。

経済援助政策と、イラクやシリアとの通商関係の急速な発展は、この2つの国への国境に近いマルディンの経済によい影響を及ぼした。イラクとシリアとの良好な関係の結果、こここ1年間で15の工場が設立され、マルディン工業団地 に新工場を設立するため、新しく20の申請が行われた。マルディン商工会会長のナスル・ドゥヤン氏は、ここ1年間で需要が増したため、現存の工業団地の拡大と新しい工業団地造営のため、県に申請を行ったと話した。

■「交通の問題はない」

ドゥヤン氏は、政府の行った開放政策が、特に国境付近の諸県に影響を及ぼしているとし、地域におけるテロ問題を終わらせるためにも経済的発展が不可欠だと話した。ドゥヤン氏は、イラクとシリアとの関係が修復し、貿易の可能性が増大したことで、延期されていた投資の実現の機会が生まれたと説明し、「マルディンはイラクに近いシリアとの国境の町であること、工業団地から1キロの距離に鉄道線路があることから、国内外への通商において交通問題がないことが、我々に有利に働いている」と述べた。

■2億7000万ドルの輸出

マルディン商工会のナスル・ドゥヤン会長は、マルディンでの輸出は、2008年に比べて2009年は32.3%増加し、去年は、2億7000万ドルの輸出が実現したと話した。ドゥヤン氏は、マルディンの93の企業が行った輸出の増加は、工場主と事業家たちを喜ばせたと話し、以下のように続けた。

「世界で、そしてトルコで発生している世界経済危機にも関わらず、我々の県では、93の会社が実現させた輸出において、去年に比べ32.3%の増加がもたらされました。工業団地において、食品工場を中心とする工場群が年間を通じ、中東諸国に対して実現させた輸出は、我々の顔をほころばせました。マルディンの事業家として、中東に近いということを、最も良い形で利用しました。マルディン商工会として、国内外の企業に合同で、あるいは単独で投資を行うよう、呼びかけています。イラク、シリア、そしてイランに近いということ、交通とインフラに難がないということが、投資を行いたい企業にとって一つの有利な点です。」

マルディン商工会のナスル・ドゥヤン会長は、今年の目標も大きなものになるとし、以下のように続けた。
「毎年、過去の年に比べ、目標を高めています。2010年の目標も30%台の増加として提示しました。目標を達成できることを信じています。」

■15人の投資家が、3500万ドルで工場を設立

マルディンで、15人の投資家が合弁し、工業団地に3500万ドルをかけて(道路舗装用の)敷石とコンクリートブロックの製造工場を造った。イラクとシリアへ輸出を行うこの工場では、26人が雇用された。最近としては、東アナトリアと南東アナトリアで最大、トルコ全体でも最も包括的な3つ目の専門センターとなる「マールテスト分析研究所」が、マルディン工業団地に設立された。商品検査サービスを民間の研究所で行うことを可能にした政策が実施され、東アナトリアと南東アナトリア地域において、生産者や消費者から要請のある食品、(微生物学的な)土壌、植物、肥料、環境(燃焼排ガス測定、騒音測定、粒子測定)、水(飲料水、家庭雑排水と灌漑用水)、鉱物などの化学的・物理学的分析を行う場所が求められていた。 マールテスト分析研究所は、同センターに集中する10の別々の研究所により、これらの必要性に対応することを目的に設立された。2千平方メートルの屋内空間に造られた分析研究所では、専門の大卒の食品技術者、化学技術者、薬剤師、微生物学者、農業技術者と技術者たちが働き、うち43人を技術陣が占める合わせて63人が雇用された。

■ 最も有利な大工業地帯

マルディン工業団地を統括するアブドゥッラー・エンサリ氏は、ここ1年間で増加した需要を考慮し、現存の工業団地を拡張するため、また、新しい工業団地をつくるため、県に申請したことを明らかにした。エンサリ氏は、政府の行った開放政策が、特に国境近くの県へ影響を与えたとし、地域におけるテロ活問題を解決するためにも、経済発展が必要だと話した。エンサリ氏は、イラクとシリアとの関係修復と貿易可能性の増大が、延期されていた投資を行動に移させたとし、以下のように話した。

「新しい工業団地を開くため、申請を行いました。新しい投資の要請は、これからこのように2つ目の(工業)団地にもっていきます。マルディンは、2つの国に国境を接し、国境税関があり、インフラについても有利です。この地域に、1,2カ月後には天然ガスがきます。また、工業団地の1キロ先には鉄道線路があります。つまり、ここからトルコの全ての場所へ、そして国外に簡単に行くことができるのです。」

この投資と新規申請が、トルコ統計機構のデータでは17%というトルコで7番目の失業率を記録するマルディンで、興奮を呼んでいるという。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:18228 )