映画ファンが大きな関心を寄せる“3D”の国内映画がこの夏、アヴシャル・フィルムによって制作される予定だ。映画関係者はこの映画に慎重だが、プロデューサーのシュクリュ・アヴシャル氏は、「トルコ初の3D映画を撮る予定だ。外国の映画会社と技術インフラに関して合意した。我々に適した大きな制作となるだろう。」と語っている。
全世界でそうであるように、我が国でも大きな関心を集め、3Dでも鑑賞することができるSF映画「アヴァター」はハリウッドだけでなくトルコのプロデューサー達をも刺激した。11本の3D外国映画の上映準備がなされている一方、トルコで初の3D国内映画製作という吉報がアヴシャル映画製作会社のオーナー、シュクリュ・アヴシャル氏から舞い込んできた。
映画の質を高めることが映画作製を異なる探求へと向かわせた、というアヴシャル氏は、「世界でもあるように、我々においても新し投資がある。アヴシャル フィルムとして、外国の会社と技術支援の面で合意した。プロジェクトの準備はできている。しかし、今の段階で詳細を明かしたくはない。どのみち今日明日にできるプロジェクトではない。我々の目的は、トルコで3D映画を撮ることだ。このために我々は努力を続ける。」と話した。初めての国内3D映画は、ゼイティンブルヌで特別に用意されたセットで撮影される。ジャンルとしては、緊迫感や恐怖感とコメディー要素を混ぜ合わせた映画を今夏から撮り始める予定だ。主なセットはゼイティンブルヌだが、映画の内容はトルコの6つの異なる県を舞台にする。映画はトルコで3D上映ができる映画館でのみ、観客にお目見えする。
■映画評論家は、「慎重論」
トルコで3D映画が最初に上映されたのは50年代の初頭だ。アトラス映画館で3Dとして上映されたホラー映画「ミイラの館」は、今も、多くの映画愛好家たちの記憶に残っている。当時のピカピカの若者で、今は映画評論家のアッティラ・ドルサイの話は面白しろい。「当時は若かった。ホラーで3Dだ。怖くて震えたよ。それに、配られた眼鏡を、みんな返さなかったよ。」
あれから長い月日が流れ、この度は、確信犯的な「回帰」であると語るドルサイ氏は、シュクリュ・アヴシャル監督の3D映画にも慎重だ。「現在のトルコ映画界には、それをつくる力はない。これは、高価な手法だ。3Dは、ファンタジーものに適している。トルコ映画には、それもない。(ファンタジーものは)お笑いだ。アヴシャル氏は第一号になりたいのだろう。敬意は表するが、今の段階では作り話に聞こえる。
脚本家協会会長のムラト・オゼル氏は、この映画が撮影されれば映画界に活況をもたらすだろうと考えている。3D映画の増加は、「アヴァター」によってもたらされたものではないと強調し、「「アヴァター」以前からあった。昔から、アニメが作られていた。2,3年の間、3D映画がよくとられた。つまり、トルコでも、このトレンドにのろうという動きがあるということだ。それに、アヴァターの観客数はよかった。」
作家で批評家のネディム・ハザルは、ドルサイ氏と同意見だ。「もちろんすばらしいことだ。しかし、トルコ映画に、その必要性はない。ただ撮るためだけに、撮ろうとしている。」3Dが新しいものではないというアリン・タシュチュヤン氏は、シュクリュ・アヴシャルに期待を寄せる。「経験のあるプロジューサーだ。撮るというのだから、撮るだろう。中途半端はだめだ。ある映画は、3Dかそうでないかだ。この技術が新鮮なうちに、トルコにも広まるのはすばらしい。」
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:18231 )