ヨルダンでイスラエル大使館の車に爆破攻撃
2010年01月15日付 al-Hayat 紙

■ ヨルダン:イスラエル大使の車を標的とした爆破

2010年01月15日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面

【アンマン:ナビール・ガイシャーン・アン=ナーシラ、アスアド・ティルハミー】

 イスラエルとヨルダンの公式消息筋によると、イスラエル大使館の車を狙った爆発は、国境のキング・フセイン橋を通ってヨルダンからイスラエルへ戻る途中に起きたが、負傷者その他の被害は出なかった。爆破への関与に関する声明は出ておらず、ヨルダン当局は事件の捜査を開始した。

 イスラエル外務省は、「ダニエル・ネボ・ヨルダン駐在イスラエル大使の車に対する爆弾攻撃」に関する声明を発表し、「大使は無事で、事件には巻き込まれなかった」と伝えた。また同声明によると、負傷者や被害はなく、車は走行を続けたという。車は、ヨルダン駐在イスラエル大使館の職員4人と護衛2人を乗せ、いつものように日曜日にアンマンへ戻る前にイスラエルに帰って週末を過ごすために、アレンビー検問所へ向かう途中であった 

 ヨルダンでは、ナビール・アル=シャリーフ情報相がAFP通信に対し、「イスラエル大使館の館用車2台を含む車列がアンマンとヨルダン渓谷の間のナーウール市付近を走行中に爆弾が爆発したが、犠牲者や被害は出なかった」と述べた。そして、「爆発の詳しい状況を明らかにするために捜査を開始した」と述べたが、使用された爆発物の種類には明確に言及しなかった。しかし捜査当局に近い消息筋はAFP通信に対し「爆発の結果、道路脇に深さ10センチ、幅80センチの穴ができた」と伝えた。

 現場を見渡せる地域にいた目撃者が本紙に話したところによると、爆発はアンマンの現地時間夕方4時45分に起き、激しい爆発音が死海を見下ろすナーウール地区を振動させた。爆発は、アンマンと死海を結ぶ道路上で、同市から28キロメートルのところに位置するアル=アダスィーヤ地区の急カーブで起きた。爆発現場は橋から30キロメートル、最も近い警察署から10キロメートル離れたところで、大きな白い煙雲が道路の右側に見えたが、火は出なかったという。また、治安部隊は道路を閉鎖し、地区を封鎖して、周辺の捜索を始めたという。

 イスラエルのメディアによると政府関係者は、「今回起きた『シナリオ』はまさしく、イスラエルとヨルダンが発生を恐れていたことである」と述べた。その不安ゆえにヨルダン駐在のイスラエル人外交官は、家族に危険を及ぼそうとする企てを恐れて、家族を伴わずに滞在している。危険はヨルダンで働くイスラエル人ビジネスマンや同国を訪問するユダヤ人にも及んでいるという。またイスラエルのメディアは、ヒズブッラーがイマード・ムグニーヤ幹部の暗殺に対する報復を今なお計画していると指摘している。

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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:18309 )