エルドアン首相、バルヨズ行動計画に対し「汚れた企みには屈しない」
2010年01月23日付 Milliyet 紙

エルドアン首相:「アンカラの暗いトンネルには入らなかったし、入らないし、入るつもりもない。我々の足をトンネルの中へと引っ張ろうとしている。」

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、(さまざまなクーデター疑惑が話題にのぼるなか)直近では、バルヨズ計画により問題となっているクーデター議論について厳しい態度を示し、「これらの汚れた企み全てに、違法行為に、我々は屈さなかったし、これからも屈しない。民主主義では、あらゆる政権は選挙によって選ばれ、選挙によって失われるものだ」と述べた。
エルドアン首相は、公正発展党拡大県代表会議において暗にクーデター議論とバルヨズ計画の話に触れながら、以下のように発言した。

■「足を引っ張ろうとしている」

「我々はアンカラの暗いトンネルには入らなかったし、入らないし、入るつもりもない。我々の足をトンネルの中へと引っ張ろうとしている。国民に何の利益もない計画に、我々を巻き込もうと、緊迫した政治に我々を利用しようとしている。我々はそのような話に加わっていないし、これからも加わらない。これら全ての汚れた企みに、汚れた遊びに、違法行為に大して、いかなる時も屈さなかったし、今後も屈しない。」

■「機会を与えない」

「7年間の間、我々は、国民が我々に託した信頼に暗雲を投げかけるものに対して、その機会を与えなかったし、今後も与えない。国を代表し、そして民主主義と自由を代表し、あらゆる計画や試みに対して正面から向き合ってきたし、今後もそうしていくつもりだ。理解したくない、わかりたくないという者皆にもう一度周知したい。すなわち、トルコ共和国は、民主主義、政教分離、社会民主的な、法治国家である。」

■「盲目と過ち」

「民主主義では、あらゆる政権は選挙で選ばれ、選挙で失われる。国民の意思に勝る、いかなる力も存在しない。自分が、トルコ大国民議会と国民の意思より上にいると思っている者、そのような力を空想する者は、盲目と過ちに陥る。『何はともあれ私には力がある』と思う者よ。忘れてはならない。この力は明日には無くなるかもしれないのだ。この力を失ったときに、国民の前でどのように裁かれるのか、このことを今のうちから考えておけ。これは我々皆に言えることだ。」

■「法律を保護する」

「政府として、公正発展党(AKP)として、国民の要望に手を差し伸べる者に対して、我々が法律と民主主義を保護し続けること、これに関して全ての困難に我々が立ち向かっていくことを、はっきりと申し上げる。故オザル元大統領には、暗殺という試みが行われた。何分後かに傷ついた状態で演説台に上り、この歴史的な言葉を述べた。『神が与えた命を、神以外に奪う者はいない』。我々も神に身を捧げた。そういうことだ。」

■「民の独裁」

「彼らは何週間もの間、同じことを言い続けている。『民の独裁』、『民のファシズム』、『単独政党の独裁、独裁志向』などと言っている。では聞きたい。これらの言葉はどこから出てきたのか、これらの言葉にどうして今、これをいう必要性があるのか?故メンデレス大統領や故オザル大統領に対して言われたこれらの言葉が、今日どこから掘り起こされ、トルコ国民の面前にもちだされているのか?私は過去の新聞の見出しにも、これらを見つけ出した。同じことは故オザル大統領にも言われたようだ。新聞の見出しはどれも同じだ。今、新聞は昔の見出しをもう一度もちだしている。」

■「どのような構想図」

「どの計画を新たに蘇らせようとしているのか?国民に敵対するどのような構想図のなかに彼らはいるのか?我々がこれらを全く聞いていないと思っているのか。これらは我々に聞こえているが、政治の緊張には、いかなる時も与しない。我々は我々の仕事をするまでだ。」

■裁判論議をどう解決するか?

憲法裁判所が、「軍事法廷は、憲法に反する罪に関して効力を発揮しない」という刑事裁判法第250条を違憲判断したことによって、政府が今後どのような動きをするのかが注目されている。公正発展党は、憲法第145条を改正し、問題を根本から解決するのかもしれない。

公正発展党は、少し前に、国民投票の期間を120日から60日に短縮する法律を提出し、観測筋による、「公正発展党が憲法改正をする用意をしている」との推測を生んだ。国民投票に付せられる最初の提案群に、憲法裁判所が刑事裁判法250条を違憲とする根拠となった憲法145条の変更にかかわる改正が含まれるとの観測が流れている。

憲法裁判所が、軍人が民事裁判で裁かれるという法律を違憲判断した後、この状態に対し「法律の穴は埋められるものであり、新しい憲法を作る必要性がまた明らかになった」と論評した公正発展党が、今後どのような動きをするのかに、世間の注目は集まっている。観測筋は、公正発展党が準備を進めている限定的な憲法改正提案のひとつに、憲法第145条に関するものが含まれるとみている。改正提案パケットは、国民投票の期間を縮める法律が施行された後に議題に上るといわれている。このように、公正発展党は、野党との折り合いがつけられない場合には、国民投票によって、(軍事法廷制度を廃し)一般法廷のみを、唯一の裁判所とする方針だとみられている。

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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:18325 )