参謀総長バシュブー将軍「我慢にも限界がある」―バルヨズ計画報道に関し会見
2010年01月26日付 Hurriyet 紙
参謀総長のイルケル・バシュブー将軍は、戦争で「神よ」と言って突撃する軍隊がモスクを爆破する計画が、「心無いこと」であると述べた。
「バルヨズ・クーデター計画」の報道に強い反発を示したバシュブー参謀総長は、「クーデター計画(疑惑)に恥ずかしさを感じている。トルコ国軍にも我慢の限界がある」と警告した。
バシュブー参謀総長は、アタテュルクに対するイズミルでの暗殺未遂事件で裁判にかけられたが無罪となった解放戦争の司令官の一人である、キャーズム・カラベキルを追悼するために昨日(25日)参謀本部で行われたセレモニーの後、記者らの前に姿を現した。この計画が7年前のものであり、調査済みであると述べたバシュブー参謀総長は以下のように語った。
■ 「神よ」と言ってモスクが爆破できるのか
計画は由々しいものだ。我々の軍の教育に関して書かれた文書をタリムナーメと呼ぶ。 タリムナーメには突撃がどうやって行われるかが書かれている。突撃の最終局面で兵士に「神よ」と言いながら突撃することが教えられる。兵士に「神よ」と言いながら突撃させた軍隊はアッラーの家にどうやって爆弾を投げられようか。(机に何度も拳を叩きつけながら)これは心無いことであり、非難する。
■ トルコ国軍にも我慢の限界がある
(長い間沈黙の後)この軍隊にいる者たちは自分たちの飛行機をどうにかしてしまうらしい。トルコ国軍にも我慢の限界がある。兵士は今地方で(手で遠くを示しながら)武器を持ってこの国、国民を待っている。あなた方は軍隊をどうしてこのように責められるのか。あなた方には良心というものは全くないのか。非難している方々に申し上げる。
■ 調査するということは認めたということではない
計画がメディアで報じられたことを受けて、もちろん我々もこの計画演習に関する手元にある情報の収集や検討を始めた。しかし7年も前のことであり、また我々の規則では5年経てば通常、過去の活動に関する手持ちの文書を廃棄している。少し我慢する必要がある。我々の言ったことを変えるといった真似はしない。陸軍は問題に関する詳細な調査を始めさせた。今週中に結果が出されることを望んでいる。あなた方にもお伝えしよう。我々は文書を調査しているが、この調査は計画を認めるという意味にはならない。
■将校1人が刑を言い渡され、10人が逮捕された
我々には構造的欠陥があり、それを埋める必要がある。今日までTSK(トルコ国軍)の中で情報漏洩に関して行われた取り調べの数は61件である。これらのうち9件は裁判にかけられ、3年の懲役刑を受けた1人の将校はTSKから追放された。現在10人がこの罪で逮捕されている。不正な行為を見つけて処罰する必要がある。
■ 時機が来れば使う
この漏洩の大部分は過去に起こった。彼らの一部の手元にあり、時機が来たら使う。しかしこれは情報漏洩ではないということではない。(遺漏の)タイミングはまた別の問題だ。残念ながらこの漏洩した情報も改変されたり、尾ひれがつけられたりして時機が来ればまた使われることになる。
■ 大統領や首相に伝える
我々と同様に政府にも責任がある。私の見解、考えや提案を大統領や首相に伝えた。もちろんこれらの見解、考えや提案が取り入れられることも求めるつもりだ。一部の問題では外部で然るべき対応策がとられる必要がある。
■ 拳をたたきつけた
バシュブー参謀総長は、参謀本部でキャーズム・カラベキルのために行われたセレモニーの後、記者らの強い求めに応じてNATOの会合に行くのを遅らせてホールに戻った。クーデター計画に関する説明の際に頻繁に拳を演台にたたきつけたバシュブー参謀総長は、「我々は何もいわなければ誤解されてしまいかねない。この問題に関して私の考えをあなた方と共有することが有益であると思った」と述べた。バシュブー参謀総長はセレモニーもキャーズム・カラベキルの娘であるハヤト・カラベキル・フェイズィオールさんやティムサル・カラベキル・ユルドゥランさんに記念の盾を渡した。
■ 行動計画に恥ずかしさを感じている
私は恥ずかしさを感じており、好き好んで述べているのではない。トルコでクーデターやクーデター計画は主要な話題である。クーデターやクーデター計画に恥ずかしさを感じている。この類の疑惑はTSKとして不愉快だ。TSKのスタンスははっきりしており、繰り返す必要があると思う。トルコは1960年代から現在まで発展してきて、非常に多くの出来事を経験した。我々TSKとしてはこれらの出来事は過去のものとなり、経験された出来事から得るべき教訓を得たと考えている。今は2010年であり、2000年代である。もはや軍として我々は、我々の国や社会が平穏、平和である必要があると考えている。今日7200万人の皆さんが心から信じる必要のあることは次のことであるべきだ、と我々は考えている。
■ 行動計画で誰が利益を確保するのか
我々が言っているように、民主主義で最も理想的なことは、政権が選挙によって、つまり民主的な方法によって交代するということである。 クーデター計画が話題になることで誰が利益を得ているのか。
■ 他国の軍隊と比べるな
誰も、TSKを世界の他の軍隊と比較するような過ちに陥ってはいけない。我々は南アメリカのどこそこの国の軍隊でも、カフカスのどこそこの国の軍隊でもない。このような過ちに誰も陥らないことを切に願っている。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:18344 )