オルハン・パムク、「思い出博物館」計画を撤回
2010年01月30日付 Yeni Safak 紙

ノーベル賞作家オルハン・パムク氏は、2010年イスタンブル欧州文化首都(AKB)本部から支払われる予定の75万4,500トルコ・リラ(約4,555万)によって設立予定で、最近出版された小説の名前を冠したイスタンブル・チュクルジュマ地区の「思い出博物館」計画を撤回した。

ハベル・チュルク紙のセルカン・アクコチ氏の記事によれば、ノーベル賞作家オルハン・パムク氏が、2008年に出版した恋愛小説『思い出博物館』と時を同じくして同じ名前で開くことを計画し、小説の登場人物ケマルが、恋人フュスンの記憶を残すために集めたオブジェが展示される予定の博物館計画に危機が訪れている。

パムク氏がこのプロジェクトのために購入したイスタンブルのチュクルジュマにあるブルクネル・アパートの改修は、2003年に終わっている 。本の574ページ目には、博物館のある場所の地図と入場券の絵が書かれている。博物館を開くため、ドイツ人建築家ブリギッテ-グレゴール・ズンダー夫妻、の手がける改装が終わのを待っていたパムク氏は、2009年2月に(自身の)創設した「思い出財団」の仲介で、AKB本部に申請を行い、計画に対する金銭的援助を要請した。本部も、プロジェクトに対して合計75万4,500トルコ・リラを援助すると決めていた。

しかし、AKB本部が計画に対して行った援助は、これ以外の援助計画とともに各新聞において議論の的になった。本部は、それらの報道にかかわらず、博物館がきたる7月に開館されると発表した。2010年1月には、2分割で払いも行われた。こうした一連の推移のなか、パムク氏は、AKB本部運営委員会へ1通の手紙を送り、計画を同本部の計画から撤回すると伝えてきた。パムク氏は、その手紙で、今までに受け取った金銭も利息と共に返済することを明らかにしている。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:18374 )