濃縮度20%のウラン燃料の製造を開始:アフマディーネジャード大統領が指示
2010年02月08日付 Mardomsalari 紙

アフマディーネジャード大統領は原子力庁長官に、国内での濃縮度20%のウラン燃料の製造開始を指示した。

 ISNAの報道によると、アフマディーネジャード博士は「イラン・レーザー科学技術協会 成果物展示会」の開会式において、「サーレヒー原子力庁長官に、濃縮度20%のウラン燃料の製造を国内で開始するよう通知した」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領はまた、レーザー技術でのイランの進歩について発言し、「レーザーの活用は産業・技術面での革命へと繋がる。レーザーはウラン濃縮にも使用可能であり、それによってお好みの濃縮度で、より迅速かつ正確な濃縮を行うことが可能になる。しかし、我々は今のところ、レーザーを利用するつもりはない」と述べた。

 大統領は、「神の思し召しにより、われわれは濃縮度20%のウラン燃料の製造を開始することになった。サーレヒー氏には、その作業を行うにあたっての不足を解決するよう、すでに伝えていた」と続けた。アフマディーネジャード大統領はまた、広い意味での科学を獲得することなくして、人類が幸福を手にすることはあり得ないと指摘した上で、「イスラーム革命がイラン国民に対して開いた扉の一つこそ、科学という名の扉である」と述べた。

 大統領は、「我が国がイスラーム革命の勝利のあと、科学の分野で革命前に対して付けた差は、想像を絶するほど驚異的なものである。しかし我々はまだ、最初の一歩を踏み出したばかりである」と続けた。

 同氏は、「本日開催された展示会は、その物理的な規模という点からは、一般の家庭用品の展示会ほど大きなものではないが、しかしそれは科学や産業、技術における偉大なる革命の始まりであることを認識しなければならない。様々な分野における科学的大変革の土台が、まさにこのホールに築かれているのである。我が国の親愛なるレーザー分野の研究者や専門家らが知のフロンティアで活躍しているということを、われわれは本日誇りを持って表明しなければならない。恐らく、われわれにきわめて大きな差を付けている国が一カ国〔=アメリカ〕あるが、われわれは大いなる努力によって、その差を埋めていかなければならない。そしてそれは、十分可能なことなのである」と付け加えた。

《中略》

 大統領は、イラン・イスラーム共和国の防衛産業での成功について触れ、「敵どもはいまだ、イランのミサイルを打ち落とすシステムを確立できずにいる。彼らが抱える問題はここにあるのであり、このことに彼らは苛立っているのだ。イランによるカーヴェシュギャルの打ち上げは物議を呼んだ。しかし我々が行いたいのは研究活動であり、そのために生物を宇宙に送ったのだ。将来は人類を宇宙へ送る計画をしており、現在そのための初期的な準備を行っている段階である」と付け加えた。

《中略》

 同氏は、「神の思し召しによって、われわれは濃縮度20%のウラン燃料の製造を開始し、我々に必要なものを満たしていく」と述べ、続けて「あなた方も覚えているだろう、数年前、ヨーロッパ3カ国〔の外相〕がイランを訪問し、〔大統領宮殿のある〕サアーダトアーバードで会談を行ったときのことを〔※〕。そのとき彼らは、『君たちは10年間、交渉を続けたまえ。10年経てば、研究用の遠心分離器を数器つくる許可を、君たちに与えてやらんでもないぞ』、などと我々に言っていたのだ。〔……〕実際彼らは、このような〔イランへの〕侮辱によって、我々の希望が潰えることを望んでいたのだ」と述べた。
〔※訳注:2003年10月に英仏独三カ国の外相がイランを電撃訪問し、NPT追加議定書の締結やウラン濃縮作業の一時停止について当時のハータミー政権と合意したことを指す〕

《後略》

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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:18469 )