ギュル大統領「裁判官・検察官高等委員会(HSYK)の中立性は疑わしい」
2010年02月19日付 Zaman 紙
アブドゥッラー・ギュル 大統領は、司法をめぐる議論に決着をつけるため、EUの基準に適うよう司法制度を改革していくことを表明した。
この発言をうけ、EUが刊行したトルコ・レポートに注目が集まった。過去数年間に刊行されたレポートのほぼ全てが、裁判官・検察官高等委員会(HSYK)に対し、批判的である。HSYKの独立性・中立性に対する疑いを論じ、この組織が早急に改編されることを求めている。
2007年当時、外務大臣を務めていたアブドゥッラー・ギュルが大統領に立候補ししたときにおこった367議席問題や、さらに公正発展党(AKP)の解党裁判が開かれたことで、EUの視線は司法に集中した。EUは過去数年間に刊行したレポートで、トルコの司法に対して激しく非難するいっぽう、高等裁判組織が早急に改編されるべきだと強調している。EUが批判する組織機関の筆頭がHSYKである。EU委員会が10月14日に刊行した(EU加盟のための)進捗報告書と、先日承認された欧州議会のトルコ・レポートは、HSYKができるだけ早く改編されるべきだと呼びかけている。
トルコ-EU関係において最も重要な評価文書として知られる、EU委員会の年次進捗報告書の最新刊では、シェムディンリの検察官フェルハト・サルカヤが免職させられたことに言及し、HSYKの独立性には疑問があると書かれている。報告書ではさらに、司法の「独立性・中立性と実効性」について不安に言及され、この不安の核となるのがHSYKであるとし、HSYKが改編される必要があるとの一文が添えられている。
報告書は、HSYKの組織構造についてはいかなる進展もみられていないと批判し、「2006年にシェムディンリ事件の責任者であった文民検察官は、HSYKによって職を追われた。この偏った決定は、HSYKの独立性に関して疑いをもつ理由となった。」とはっきりと述べている。報告書は軍と司法の上位職者の行った発表をみると、重要な訴訟においての司法の中立性を危機に瀕していると述べている。
オランダ人で、キリスト教民主党のリア・オオメン・ルイジテンによって書かれ、先週承認された欧州議会のトルコ・レポートも、司法に対し同様の批判を行っている。トルコにおける司法の独立性について批判的な報告書には、「欧州議会は、HSYKの中立性、透明性、代表性をもとめ、政府に、HSYKの改編を奨励する」と書かれていた。
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:18512 )