トルコがイスラエルの軍事演習参加を拒否、イスラエルは関係悪化を懸念
2009年10月13日付 al-Hayat 紙
■ イスラエル、トルコとの関係に「危険な曲がり角」を懸念
2009年10月13日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP東アラブ面
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエルは、トルコとの関係に「危険な曲がり角」が来ることについて深刻な懸念を表明している。トルコがイスラエルの対ガザ戦争に抗議して、トルコ領内において同盟諸国とともに実施している毎年恒例の共同軍事演習へのイスラエル空軍の今年の参加を拒否したことを受けてのことである。
イスラエルのメディアが報じたところによると同国外務省高官は、トルコ政府には「イスラエルとの特別な戦略関係を継続するつもりがない」との見方を示しており、また別の高官は両国関係について、「トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相がイスラエルに対して敵対的な政策を行うなか」どん底にまで堕ちる深刻な恐れがあると発言した。
一方、国営放送局によれば政界の有力者筋は、イスラエルはトルコと関係が正常に戻ることを願っているが「エルドアン首相がそうではない事態を生み出そうと企てている」との印象が先行していると述べた。またイスラエル各紙は、トルコ首相がイスラエルとの関係悪化の背後におり、同首相にイスラエルとの特別な戦略関係を継続する意思はない、との論調で一致している。
イスラエル政府高官によれば、エルドアン首相は「イランやシリアと接近する一方で、反イスラエルの政策方針に傾いている」とのことで、エルドアン首相は最近国際社会にイランへの制裁を解除するよう求めているが、「そればかりか、より危険性の高いイスラエルの核開発計画に重点を置くよう国際社会に呼びかけるに到っている」という。
(中略)
また政界関係者によると、イスラエルは「最近のトルコの振舞いを見て見ぬ振りは出来ず」、欧州や米国の各方面を通じてトルコに「イスラエルは中東の重要な一部であり、北大西洋条約機構(NATO)は安全保障分野における課題の中でイスラエルに一致して対抗することを許さないだろう」という趣旨のメッセージを伝えることを検討しているという。
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( 記事ID:18558 )