宗務庁の社会人向けコーラン学校プロジェクトはじまる
2010年02月26日付 Yeni Safak 紙

まず手始めに、神学部出身で講座のための教育を受けたイマームたちが勤めているモスクではじめられた社会人向けコーラン学校では、人々にコーランが教えられ、不十分な宗教知識が正される。

講座は日中働いた人々が参加しやすいように、宵の礼拝後に設定されているが、生徒が来る場合には日中の時間でも受けることができる。あらゆる年代の人々が参加するこの講座への関心は大きい。講座を受け持つイマームには追加報酬が支払われ、また、近く女性のためにも開講される。

宗務庁のアリ・バルダクオール長官授の指示で始められた「モスクでコーラン教育プロジェクト」が、国全体で大きな関心を持たれている。講座は、人々の要望に沿って、平日5日間どの時間帯においてもムフティー(宗務長)の申し出と、これに対する行政の上役の許可で開講され得る。

講座は最低15人の生徒で開講され、コーランの朗読、知識の向上と(朗誦の)技能を上達させることを主眼としている。プログラムでは50時間ずつの3課程が用意され、各課程は34時間がコーラン、16時間が宗教知識の授業で構成される。 宗務庁は、講座開始前に、関係する職員を教育した。宗務事務所に送られた文書では、様々な理由でコーラン講座を続けることを断念した人々が、自ら宗教の教育を望んだことに言及された。文書では、プロジェクトで任務するイマームが、コーラン朗誦と基本的な宗教知識についての熟練した能力を持つことに加え、教育学の研修を修めていることを条件に募集されることが強調された。文書では、任務につく職員が神学部出身者の間から採用されることが求められ、「講座を受け持つ職員は、宗教高等教育を受けた者が望ましく、該当者がいない場合にはイマーム・ハティプ高校出身者であることを要する。選抜では他の条件を同一とする者たちから、コーラン暗誦者、コーラン・アシェレ詠唱法教室を卒業した者が選ばれる」とされている。この指示書に従い、ムフティー事務所はここ数か月、イマームの教育セミナーを開き、人々の要望に沿って講座を開講した。プロジェクトで任務に就くイマームたちには、追加報酬が支給される。

1600のモスクがあるブルサでは170のモスクで講座が始められ、住民はこれに大きな関心を寄せている。仕事が忙しいためにコーランを習いそびれていたと話すシェフレッティン・オズデミルさん(58)は、「私が習えたのなら、皆コーランを習えるだろう。私はひと月半の間でコーランを学んだ。去年はコーランを読むこともできなかったんだ。この期に、私は特に年配の人々に言いたい、『自分には無理だ、もう習えない』としり込みしないでほしい。(アラビア文字を)一文字も知らなかった私が習えたのだから、誰もがコーランを読めるはずだ。この授業を用意してくれた人々に感謝する」と表現した。

アブハズヤ出身のパシャ・デデギルさんも、講座のおかげでコーランを読むことを学んだ1人である。69歳のラマザン・アルトゥンチャユルさんは、何年間も礼拝でコーランの章を間違えて読んでいたことい気付いたと語り、「私は老齢であるにも関わらず働かないといけない。しかし、この講座のために2時間を割いている。私は礼拝の章句を間違えて読んでいたことに気付いたよ。礼拝をしていたが、しかしどこが(宗教上の)義務でどこが(宗教上の)随意なのかも、よく知らなかった。こうしたことを私は講座で学んだよ」と述べた。

商人のハニフィ・チャクマケルさんも「モスクでコーラン教育」プロジェクトを有用であると考えている。チャクマケルさんは、「私は商人で、仕事が非常に忙しいのですが、講座のおかげで、夕方の2時間で知識を新たにすることができました。 コーラン朗誦の発音技法を習い始めましたよ」と話した。


モスクでの授業に90人が申し込んだと語る、ブルサにあるズムルトエヴレル・モスクのイマーム、ヒュサメッティン・トゥルハン氏は、講座は日中働く人々にとって絶好の機会であると指摘する。20年来のイマームであるトゥルハン氏は、次のように語った。「宗教に携わる職員として、(宗教的)共同体に奉仕すること、我々のモスクに来る人々にコーランを教えること、宗教的知識を与えること、彼らの質問や必要に応えることが我々の第一の任務です。モスクでは『コーランを知らない者は誰もいないように』というスローガンを掲げて、授業が続いています。私たちの地区の皆さんがコーランを知ることを望んでいます。我々は講座に参加した人々に、あらゆる宗教知識を説明するために努力しています。」

ブルサのムフティー、マフムト・ギュンドゥズさんは、プロジェクトが非常に重大な欠陥を補ったことを指摘した。プロジェクトが、いずれは女性にも広められていくだろうと述べたムフティーのギュンドゥズさんは、次のように言葉を結んだ。

「全員が(日中の)コーラン講座に行けるわけではありません。昼間に働く人々は夜に、宵の礼拝後にモスクで2時間のコーランの授業を受けられます。大臣会議の決定により、この授業を受け持つ教育を受けたイマームたちは、追加授業報酬を得ることになりました。授業を行うイマームたちは、そもそもその道の専門家です。それでもこの講座のために特別な教育を受けました。コーランを教えることは世界に価値あることです。この取り組みは徐々に成長するでしょう。」

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:18564 )