エルバラダイ元IAEA事務局長のエジプト大統領選出馬を支持する反政府運動メンバー逮捕、非常事態法への国際的批判強まる
2010年02月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■非常事態法を解除し、人権状況を改善するよう、エジプト政府に国際的圧力
■エジプトでエルバラダイへの大衆的歓迎を呼びかけた活動家2人が逮捕

【カイロ、ジュネーブ:本紙】

 治安筋と目撃者の情報によれば、エジプト治安当局は昨日、反政府の4月6日運動[訳注:2008年4月6日にマハッラ・クブラーで行われた大規模な労働争議に連帯するSNSフェイスブック上のグループ。ネットを通じてストライキの呼び掛けなどを行ってきた]の活動家2人を逮捕した。国際原子力機関(IAEA)のムハンマド・アル=バラーダイー(エルバラダイ)前事務局長の、来年エジプトで予定されている大統領選挙への立候補を支持するスローガンを広めようとしたためだ。

4月6日運動によると、同グループに所属するこの二人は、来週金曜日にカイロに到着予定のバラーダイー氏を歓迎するスローガンを書いただけだという。

情報筋によると、治安当局に逮捕されたのは4月6日運動のジェネラル・コーディネーターであるアフマド・マーヒル氏と、アムル・アリー氏。2月19日にカイロ空港に到着予定のバラーダイー氏を出迎えるよう呼びかける文言を、街頭に書いていたところ、車中で逮捕された。

治安当局は、「逮捕された二人は、現体制に反対するスローガンを広めることで、公共の治安を犯そうとした」と述べた。目撃者の証言によると、二人はスーダン通りの壁に、「2011年の大統領選ではムバーラクにNO、バラーダイーにYES」などのスローガンを書いていたという。

 さらに目撃者によれば、4月6日運動の複数のメンバーに加えて野党の大物であるリベラル政党アル・ガドのアイマン・ヌール党首が、2人の活動家が拘束された建物の前に集まり、一刻も早い釈放を求めた。バラーダイー氏を大統領選に推す数万人の支持者たちは、非常事態法によって政府に禁じられている集会の場に参集することを避け、SNSのフェイスブックのサイト上に集まって、バラーダイー氏の出迎えを準備している。フェイスブック上のキャンペーンでは、[集会を禁じた非常事態法で取り締まられないため]三人ひと組でカイロ国際空港に出迎えに行くよう、支持者たちに呼びかけており、一部の支持者はバラーダイー氏の自宅前で待つことにしている。

一方、米国といくつかのヨーロッパ諸国は昨日、今年予定されている議会選挙と、2011年の大統領選挙の前に、市民の自由を保証するようエジプトに求めた。これらの国々は同様に、1981年のサダト元大統領暗殺以来施行されている非常事態法を解除するよう、ムバーラク政権に呼びかけている。非常事態法は批判的なエジプト人たちによって、野党の弾圧に利用されていると言われている。

(後略)

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( 翻訳者:倉井彩 )
( 記事ID:18589 )