シリア人俳優、エジプト戦サッカーに関するアルジェ批判の噂を否定
2010年03月04日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ジャマール・スライマーン:ムスタガーニーのドラマでアルジェリア人闘士の役をやる

2010年03月04日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP文化面

【カイロ:DPA】

シリア人俳優ジャマール・スライマーンは、サッカーのエジプト・アルジェリア戦にかんしアルジェ国民を中傷したと取りざたされていたが、それを否定した。

新聞声明でスライマーンは次のように述べた。最近アルジェ各紙で伝えられたことは全て「ねつ造」である。公人ではない個人による特定の振る舞いに基づき、アルジェリア共和国やその国民、あるいは他のアラブ国民に嫌疑をかけるようなことは、自分は一日たりとてしたことがない。

さらにスライマーンは、アルジェリア人作家アハラーム・ムスタガーニーの同名小説を原作とするドラマ「身体の記憶」のメインキャストを引き受けたことも明らかにした。アブダビテレビ製作、ナジダト・アンズール演出によるこのドラマでアルジェリア人闘士の役を演ずる。アルジェリアのメディアはこのドラマから彼を遠ざけるよう要請していたが、それが無視された形になる。アルジェ・メディアの方が、元々スライマーンが行ったのではないコメントに基づき、そのような要請をしていたのだ。

彼が明らかにしたところによれば、初めから、自分のコメントがどこかの味方をして他と敵対するように歪曲されるのを避けるよう心がけていた。衛星放送各局は、先のカイロ国際映画祭の閉会式典で彼のコメントを取ろうとしたが、その際もあくまで中立を守り事態の鎮静化を目指した。スライマーンは以下のように述べる。

「多くのアラブ、中でもエジプトとアルジェリアの同胞たちが、スーダンでのエジプト・アルジェ戦後の事件に嫌気がさしただろうことを自分は良く知っている。そんな事件は過去の事としてはやく忘れたいと皆思ったはずだ。そこに、どういうわけか生死を分かつ戦いだとでもいうかのように誹謗中傷合戦を繰り返す集団がいて、人々は彼らに苛立ち心を痛めているように見えた。だからそのような人々の気分を重くするようなことはしたくなかった」。

「こういう事件は、長い時と努力の末に思想家や詩人、芸術家、文人、良心の持ち主たちが築いてきた感覚、彼らはみんな一つの共同体に属しているというアラブ的感覚を犠牲にしてしまう。政治家ではなく、文化人や情熱を持つ人々、歴史家たちがそういう感覚を培ってきた。政府のレベルではなくても、人々の間には互いに連帯し愛し合い思いやる気持ちがあるはずだ。」

「みんながサッカー事件の嵐は終わったと思い、我に返って、その悲劇の対価を理解し二度と繰り返すべきではないと考えていた時に、アルジェリアのとある新聞が蒸し返したんだ。ただ今回の標的はシリア人俳優で、エジプト側に偏向しアルジェ国民が悪いと評したとかで、謝罪しなければならないと言う。彼らはその映像を所有していると主張していた。」

「これは全く嘘で、事実とそぐわない。ジャーナリズムにあっては真実こそが最も尊いはずなのに。残念だが目立った動きは、いくつもの話題から一つを選別し、報道することによりその重要度を上げようとすることだ。その後で本人に連絡してきて、話をもっとセンセーショナルなものに仕立て上げようとする。そういう野望をかなえないように、彼らを通じて反応するのは止めようと決めたんだ。それよりこの声明で直接読者に訴えようと考えた。これで物事はあるべきところへ戻ってくれるだろう。エジプト側にもアルジェリア側にも、この危機を抑えようと努力した多くの人がいる。二つのアラブ国民の間で憎悪を煽ることを良しとするメディアの罠に落ちないようにと彼らは人々に警告していた。自分が唯一気にかけたのは、どのようにしたら、この自分の行いをその人たちの努力と合わせられるかという点だった」

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:18604 )