エルバラダイ、民主化勢力の連合組織「変革のための国民協会」を立ち上げ、憲法改正の必要を訴え
2010年03月02日付 al-Hayat 紙
■エルバラダイ氏、「改憲」という嵐を残してカイロを離れる
2010年03月02日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ国際面
【カイロ:アフマド・ムスタファー】
国際原子力機関のムハンマド・アル=バラーダイー〔エルバラダイ〕前事務局長は、エジプトの首都カイロで9日間を過ごした後、「憲法改正」を掲げた社会運動と政治的議論の嵐を残し、一昨夜静かにカイロを離れた。憲法改正の話題は、諮問議会 の半数改選や、その約半年後に控えた人民議会選挙を上回る関心を集めている 。
(中略)
バラーダイー氏がカイロ到着後に結成を発表した「変革のための国民協会」は、今後の活動について幅広い行動計画案を策定し終えた。その実現は、同氏がネット上のチャットルームやブログ、有名なSNSサイトであるフェイスブック上で提案したアイデアへの支持者をさらに多く集めることにかかっている。
バラーダイー氏は『共に変革を』と銘打ったメッセージを支持者たちに送り、様々な政治的・宗派的背景を持つエジプト人達たちとの会見を通じて、「エジプトに変化を起こさねばという総意を感じ取った」と述べた。そして、「そのためには、変化を求める全ての声を『変革のための国民協会』のもとに一つにまとめる必要があるとの全般的な合意がなされ、私自身がそれを引っ張り、また後押しするよう求められたのだ。この協会は変化を求めるあらゆる声を集める大きな枠組みとなるだろう」と続けた。
さらに同氏は、「議会選挙であれ大統領選挙であれ、国民全てに平等な機会が与えられるよう、誰でも参加できる自由かつ公明な選挙を行うことを基本的に保証するという担保 」の必要性を強調した。そして、それらの措置や保証の実現には、大統領の立候補資格と任期に関わる 憲法76条、77条、88条の改正を出来るだけ早期にする必要があるとして、社会のあらゆる方面に対し、「変革のための国民協会への加入」を呼びかけた。同協会は「変革に賛同する国内外の全てのエジプト人に向けて開かれている。まずは選挙に関する保証と措置の実現に始まり、全エジプト人に尊厳ある自由な生活をおくる権利を保障する新憲法制定に至る。この憲法が包括的な社会経済改革計画の始まりとなり、ついには国民が主権者および統治者になるのだ」と述べた。また同氏によれば、「世襲反対」運動のリーダーであるカイロ大学政治学部教授のハサン・ナーフィア氏が、協会のジェネラル・コーディネーター に任命されたという。
他方、同協会のメンバーで、「キファーヤ[=もうたくさんだ]」運動の有力幹部でもあるジョルジ・イスハーク氏は本紙に向けて、「変革のための国民協会はカイロ県のほかに、ファイユーム県、スエズ県、ガルビーヤ県、アスワン県に4つの支部を開設した」ことを明らかにし、今後はエジプト各県でできるだけ多くの支持者を獲得してから、行動計画の策定に取り掛かると指摘した。
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