「アーシューラー事件」の被告約250名に対し起訴状
2010年03月08日付 Mardomsalari 紙
テヘラン検事長はアーシューラーの日の混乱に関わったとして、約250名に対して起訴状が出されたことを明らかにした。
イラン労働通信(ILNA)の報道によると、第27区検察庁の新旧長官の離任・着任式、ならびに殺人・窃盗特別検察庁の開庁式に出席したアッバース・ジャアファリー=ドウラトアーバーディー検事長は、そのかたわらで報道陣の前に姿を現し、大規模な経済腐敗事件をめぐる状況について、次のように述べた。「司法権、なかでもテヘラン検察は特に、経済的腐敗への取り組みを掲げており、司法権内部の諸々の会合でも、この問題が強調されている。われわれとしても、司法機関が対策へ向けた行動を示すことで、経済的腐敗に関与している親玉どもを摘発し、国民にその成果について報告することができればと思っている」。
一部の反革命メディアが、「アーシューラーの日に逮捕されたモハンマド・アリー・ヴァリヤーンなる者に対して死刑が宣告され、〔近々〕刑の執行が行われる予定だ」と伝えていることに関し、記者から質問を受けたテヘラン検事長は、この問いに次のように答えた。「この報道は事実ではない。この者は、裁判を受けた被告のうちの一人で、すでに判決は下され、現在〔被告への〕通知段階にある。同被告は、エスファンド月22日〔3月13日〕までに控訴する権利がある」。
ドウラトアーバーディー氏はさらに、「言うまでもなく、イランの司法制度は正義に立脚するものであり、重大犯罪では特に、多くの審理が積み重ねられている。同被告への裁判は弁護士出席のもと開かれたものであり、彼には控訴審に異議を訴える権利もある」と続けた。
同氏はその上で、「なかにはこの判決を、事実とは異なる報道を流すためのきっかけにしようとしている者もいる。この判決が執行されたとか、控訴審で支持されたとかいう話は事実ではない。判決は現在、被告への発行・被告段階にあるからだ」と強調した。〔※1〕
ドウラトアーバーディー氏はまた、アーシューラーの日に逮捕された者たちをめぐる最新の状況について、質問に答える形で「アーシューラーの日に逮捕された者たちのうち、約250件に対して起訴状が出された。もちろん、捜査が終了したり、あるいは嫌疑が不十分だったりした者に関しては、漸次釈放している」と述べた。
〔中略〕
「容疑者らに対しては憐れみの情をもって取り調べを行うべきだ」
他方、テヘラン軍事検事長は、「取り調べにあたっては、取調官は〔容疑者が抱える〕問題を〔一緒に〕解決するために取り調べを行っているのだということを、容疑者が感じることができるよう、同情をもって〔容疑者に〕接することが必要だ」と述べた。
ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのショクロッラー・バフラーミー師は、軍事検察庁と軍情報保安局関係者の合同会議で、日々増大する敵による脅威と陰謀に対して、情報部員たちはこれまで以上に警戒すべきであると強調し、「情報保安局の本務とは、〔諜報に関わる〕部員たちに対して注意を怠らないことにある。つまり、彼らが逸脱へと引き込まれぬよう、彼らを守り、管理しなければならないのだ」と述べた。
同師はさらに、次のように続けた。「自らの手先を使って国の内部や国境付近に不穏な状況を作り出し、〔イスラーム共和国〕体制に圧力をかけ、そうすることで自らの邪な目的の達成を企んでいるイスラーム革命の敵どもに、〔敢然と〕対抗しようとしている治安部隊の努力は、称賛に値するものである」。
テヘラン軍事検事長はさらに、犯罪者を矯正させ、彼らを社会に復帰させることも、情報保安局の任務の一つだとし、「創造の世界において、神は罪を犯した人間の懺悔を受け入れている。それゆえ、正しい管理運営によって、罪を犯した勢力を矯正し、再び誤ったことをしないよう十分監視することが必要となる」と明言した。
同師はまた、「〔機密情報に関わる〕職員たちの〔体制や組織に対する〕信頼を引きつけておくことができれば、彼らは〔情報の〕保全を、逸脱に対する自らの〔身の安全の〕支えであると考えるようになるし、自身が〔見聞きした〕問題を気軽に〔上司に〕打ち明けることにもつながるのであろう」と述べた。〔※2〕
〔後略〕
※訳注1:ヴァリヤーン被告は、「投石」に関わったことを理由に反逆罪に問われ、3月5日に死刑判決が下された。ドウラトアーバーディー氏が否定しているのは、死刑判決が下されたかどうかではなく、それが控訴審での最終判断であったかどうか、についてである。同被告は20歳の学生で、「団結強化事務所」と呼ばれる学生組織の一員だったとされる。なお、この記事では「モハンマド・アリー・ヴァリヤーン」と書かれているが、「モハンマド・アミーン・ヴァリヤーン」が正しい模様。
※2:バフラーミー師の発言は、昨年6月の大統領選挙後の混乱のなかで発生し、数名が死亡したとされる「
テヘラン大学寮襲撃事件」で、治安維持軍が主導的な役割を果たした様子が映しだされたビデオがBBCに流出、治安維持軍関係者内部によるリークが疑われていることを意識したものであるように思われる。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18637 )