パレスチナ自治政府内相「ジハード主義者の活動は単発的」
2010年02月21日付 al-Hayat 紙
■ パレスチナ内相、本紙に「パレスチナ情勢にはあらゆる展開の可能性があり、そこに付け入ろうとする企ては数多くある」
2010年02月21日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス(本紙)】
パレスチナ自治政府のサイード・アブー・アリー内相は本紙との会見で、「パレスチナ情勢にはあらゆる展開の可能性があり、そこに付け入ろうとする企ては数多くあるが、そのような動きは十分に監視している」と述べ、「変わらぬ脅威の根源は、イスラエルの占領が継続していることである」と強調した。さらに、ヨルダン川西岸地区におけるジハード主義集団の存在については些細なものだとの見方を示し、それは社会現象ではなくあくまで個別の出来事であるとの見解を述べ、「他の脅威の根源も存在しており、和平プロセスの停滞から生ずる可能性がある」と付け加えた。
アリー内相は、「イスラエルとの治安協力は、あくまでパレスチナ市民の利益のためであり、刑事犯罪やパレスチナ自治政府管轄地域とイスラエル管轄地域の間の移動に関わるものである」と明らかにし、「パレスチナ治安機関は、もはや特定の高官の名前と結びついたものではなく、政治的な根拠を持った機関である。諸治安機関は今や、完全な専門性を備えた単一の機関となっている」と強調した。また、「拘束されているハマースのメンバーの数は少なくかつ変動しており、250人を越えない程度である」と付け加えた。
会見の内容は以下の通り。
本紙:パレスチナにおける治安上の脅威は多様化し、一定の範囲に限定できるものではないように思われる。先日はヨルダン川西岸地区北部で、アル=カーイダの思想に傾倒する集団が逮捕されたとの情報が伝えられた。
アリー内相:治安上の脅威には多くの要因があり、そのレベルも様々である。しかし、変わらぬ脅威の根源は、イスラエルの占領が継続していることだ。
本紙:西岸地区で聖戦サラフ主義に傾倒する集団が摘発されたという情報が伝えられたが、これは、パレスチナの治安状況が直面する様々の深刻な困難に新たに加えられるものか?
アリー内相:ジハード主義集団という名の社会現象について述べることはできない。これは、個々のケースであるに過ぎない。個人がスローガンや立場やある一定の行動哲学を掲げているということだ。彼らがアル=カーイダの影響下にある存在だとか、彼らにアル=カーイダ系の諸組織との繋がりがあるなどと決めつけることはできない。嫌疑はあるけれども。現在の閉塞状況や政治的展望の欠如、生活上の困難、希望の後退といった状況が続けば続くほど、過激思想の再生にとって豊かな土壌となる。
(後略)
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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:18641 )