憲法改正に取りかかった与党が準備した憲法改正案は最終段階に入った。昨日レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は法律家らを集め草案に関する最後の修正を行った。
ビュレント・アルンチ副首相とジェミル・チチェキ副首相が参加した4時間にわたる会議の後、ベキル・ボズダー会派副会長は、憲法改正に関する取り組みは完成したと発表した。サドゥッラー・エルギン法務大臣は近日中に野党の支持を得るため野党を訪問する。訪問の約束を取り付ける前に憲法改正案が野党に送られる。与党は3月末までに憲法改正案を議会に提出することを目標としている。得られた情報によると、憲法改正案には軍人を一般法廷で裁くこと、裁判官・検察官高等委員会(HSYK)のメンバー数を21人に増員すること、憲法裁判所と議会も裁判官・検察官高等委員会のメンバーを選出するといったような改正案が盛り込まれている。解党にあたり暴力に関する基準が設けられる一方で、(解党)訴訟を起こす決定には議会の許可が必要となる。役人の労働権の改善、オンブズマン制度の導入、女性へのアファーマティヴ・アクション(待遇改善措置)の実施、子どもの権利拡大も改正案に盛り込まれている。
昨日の午前中首相官邸で始まった会議には国務大臣兼副首相のジェミル・チチェキ、ビュレント・アルンチ副首相、ハヤティ・ヤズジュ国務大臣、ベシル・アタライ内務大臣、サドゥッラー・エルギン法務大臣、公正発展党(AKP)会派副会長ベキル・ボズダー、公正発展党副党首ハルク・イペキ、トルコ大国民議会(TBMM)法務委員会委員長兼公正発展党アンカラ選出議員アフメト・イイマヤ、トルコ大国民議会憲法委員会委員長兼公正発展党イスタンブル選出議員ブルハン・クズ、公正発展党アダナ選出議員オメル・チェリキが参加した。公正発展党会派副会長ベキル・ボズダーは会議の後議会に来ると新聞記者の質問に答えた。ボズダー会派副会長は最後の確認作業がなされ取り組みは完成したと伝えた。同氏は内容に関しては言及せず、「条項の数と内容に関しては何も言えません。野党への訪問の約束はサドゥッラー・エルギン法務大臣を通して取り付けられます。おそらく約束の日よりも前に、今回の取り組みを野党に提出するかもしれません。このようにすることで、野党を訪問して話すことができるのです」と述べた。
共和人民党(CHP)のハック・スハ・オカイ会派副会長は訪問要求に対し積極的であるが共和人民党のこの件に関する見解は明らかであると述べた。民族主義者行動党(MHP)のメフメト・シャンドゥル会派副会長も憲法の文章は変えられるが、高圧的なやり方は受け入れられないと語った。
憲法改正案に関する詳しい発表が行われていないが、得られた情報によると憲法改正案には次のような項目が見られる。
・解党に関する改正が行われる。ベネチア基準を基に、解党にあたっては、暴力(行為)への関与が条件とされる。解党には議会の許可が条件となる。
・裁判官・検察官高等委員会(HSYK)のメンバーが21人に増員される。委員会の決定に関しても、司法に問う(裁判を起こす)ことが可能となる。大統領、議会、憲法裁判所も裁判官・検察官高等委員会(HSYK)のメンバーを選出する。
・役人の労働権の改善が行われる。
・軍人が一般法廷で裁かれるようになる。
・オンブズマン制度が導入される。
・女性へのアファーマティヴ・アクション(待遇改善措置)の実施。税金を滞納している実業家の国外出国規制が緩和される。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:18716 )