ヨルダン、死海文書返還を求めてユネスコに苦情申し立て
2010年01月12日付 al-Hayat 紙


■ ヨルダン、死海文書返還を求めてユネスコへ苦情申し立て

2010年01月12日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ国際面

【アンマン:AFP通信】

 ヨルダン考古局のラーフィウ・アル=ハラーヒシャ報道官は昨日、ヨルダンが「国連教育科学文化機関(ユネスコ)」に、イスラエルからの死海文書返還を求めて苦情申し立てを行った事を明らかにした。イスラエルは奪取した死海文書を、カナダで開かれた展覧会に出展していた。

 ヨルダン国営通信社(ペトラ)によれば、ハラーヒシャ報道官は「ヨルダンはユネスコに対して、他国の遺産を奪取するのはハーグ条約違反であるとの苦情申し立てを行った」と述べた。同条約は「武力紛争の際の文化財の保護」に関して1954年に締結されたもので、カナダ、ヨルダン共に締結している。

(中略)

 ヨルダンは、[カナダ南部]ロイヤルオンタリオ博物館で開催された展覧会にイスラエルが死海文書を出品したため、展覧会への参加を拒否した。カナダ公式筋は今月初め、ヨルダン政府がカナダに文書の差し押さえを要請したと発表している。イスラエルは1967年の第3次中東戦争の際に奪取した死海文書について所有権を主張してはいない。一方、カナダの「グローブ・アンド・メール」紙は今月初め、イスラエル考古局局長ピニナ・ショール女史 の「我々は死海文書の守護者である」という発言を報じている。他方、パレスチナ政府は昨年4月、カナダのスティーヴン・ハーバー首相に書簡を送り、「パレスチナ占領地から持ち去られた」死海文書の展示を取りやめるよう求めていた。死海文書は、紀元前10年から紀元後68年までの事柄が書かれており、1940年代にクムラン渓谷の死海沿岸でベドウィンの住民によって発見された。

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