政府は用意した憲法改正案を今日野党に提示する。これに関する最終調整が昨日公正発展党本部で行われた。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と公正発展党の法律専門家たちが集まり、「憲法改正案」に関する最終調整を行った。公正発展党執行部は今日、憲法改正案を野党の幹部に提示する。公正発展党を代表して、サードゥッラー・エルギン法務大臣とベキル・ボズダー会派代表、ジェミル・チチェキ副首相がまず10時に共和人民党会派のもとを訪れる。国会での会合は12時に平和民主党、続いて13時30分に民族主義者行動党の幹部との間で行われる。政府はこの会合で野党との妥協を模索する事となる。
野党の代表者たちはそれぞれ異なる理由でこの改正案を批判した。共和人民党のオヌル・オイメン副党首は、政府がこの改正により司法を自分たちの望む形へと変えようとしていると主張した。オイメン副党首は共和人民党のトラブゾン党大会で演説し、「公正発展党は、司法に復讐するのはやめにしてもらいたい、彼らは、憲法裁判所や裁判官・検察官高等委員会を自分たちの望む形へと変えるつもりだ 。彼らは改正案の中に、『これがあるといいから、賛成票を投じてくださいね』と国民の機嫌をとるいくつかの甘い文句を入れようとしている。しかしトルコ国民はこれには騙されない」と語った。
民族主義者行動党のオクタイ・ヴラル会派代表代理は改正案のいくつかの条項に関して疑念があると述べた。ヴラル議員はソケ市で党員に対し演説し、政府は憲法改正を既成事実として提示しようとしていると 主張した。ヴラル議員は「もし憲法改正がなされるとしても、まずはこの件が与・野党の幹部委員会でとりあげられるべきだ。その後で各党が審査するべきである。よしとされればその時我々は自分たちの見解を示し、必要であれば支持をする事もできる。しかし今我々はその中身を全く知らない。我々はいくつか疑念を抱いている」と話した。
イスタンブルのノールーズ祭で演説した平和民主党のギュルテン・クシャナク共同党首も、憲法改正案を話題にした。クシャナク共同党首は、多元的・自由主義的な憲法を望んでいると述べ、政府は、同党へ親しげに接近しようとしていると非難した。クシャナク共同党首は、比例代表選挙での議員選出のための得票率最低ライン(baraj)を10%から適切な水準へと引き下げる事と、母語による教育に関する憲法第42条の修正を支持の条件とした。
公正発展党が明日野党に提示する24項目の憲法改正案の中には10以上の基本的条項が含まれる。これらに関する改正案の一部は、いくつかの項目へと分割されている。改正案には、解党命令へのハードルをあげることと、「党」ではなく、まずは解党の原因となるような行動をした政治家が罰せられるように修正する点も含まれる。この他に、EU加盟交渉でもして指摘された裁判官・検察官高等委員会の構成員の拡大がもりこまれ、民主主義の水準を高める事が計画されている。
改正案には憲法裁判所の改正にトルコ大国民議会が発言力を持つ点も挙げられている。これによると、憲法裁判所は2つの法廷と21人のメンバーからなる機関となることになる。このメンバーのうちの6人を国会が任命する。国家弾劾裁判と解党裁判は、2つの法廷が合同する総委員会が担う。政党を解党させるためには、まず国会の承認が必要となる。これが実現した場合にかぎって解党裁判が開かれ、そこで解党の決定を下すためには、21人中14人の票が必要となる。憲法裁判所に対する個人による訴訟と、公務員の労働協約権は改正案に含まれるこの他のサプライズ条項となるだろう。以前は大統領か、あるいは、与党と最大野党の110人の国会議員の署名により、高等裁判所で解任裁判をおこす事が可能だった。今回の改正では、国内の法による手段がなくなった場合にかぎり、ヨーロッパ人権裁判所の判決に基づき、基本的人権と自由の侵害の容疑で憲法裁判所に対して個人が訴訟をおこすことが可能となる。
国民一人一人に関係する重要な変更点は、個人情報保護に関して行われる修正である。これによると、個人情報は、個人の明確な選択もしくは法律で規定される理由によるものに限り使用され得る。国民は自分の個人情報が適切な目的に沿って使われているのかどうかを知る事ができるようになる。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:18750 )