婚姻年齢の法制化を求め、イエメン女性たちがデモ
2010年03月22日付 al-Quds al-Arabi 紙
■支持派が未成年女性の保護を求める一方、反対派は西洋的計画の実行だとの認識を示す
■イエメン:婚姻年齢を定める法律を巡り、国会前で女性によるデモ闘争
2010年03月22日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【サナア:本紙】
昨日、首都サナアの国会前で数百人のイエメン人女性が婚姻年齢を18歳と定める法律の制定を求め、デモを行った。一方で、保守的潮流に属するその他の女性らは、この法律がイスラーム法に反するものであるとして、法制化しないよう訴えた。
リベラル派のデモ隊は、未成年女性の結婚という現象が深刻化している状況を踏まえ、婚姻年齢を定める法律の制定を求めるスローガンを掲げたが、それはこの種の法律を西洋的計画の実行とみなし、そのような立法行為を禁止したウラマーによるファトワーの採用を求めている保守派支持の女性たちのスローガンに真っ向からぶつかるものである。
保守派に属するサナア大学の女子学生、アマル・アル=フズミーはUPI通信に対し、「私たちのスローガンは、『イスラーム法に反する西洋法にNO!』です。〔婚姻年齢を法で規定しろという〕要求は、イスラーム社会に自分達の思い通りのことを押し付けよう とする西洋の思惑以外の何物でもありません」と述べた。
ラディーヤ・アッ=シマーヒーは同級生のアマルとは意見が異なり、結婚年齢を制限することは、未成年女性の結婚という現象が深刻化して、イエメンが国民の悲惨な貧困状況に付け込んだ他国からの旅行者が“観光で”結婚する場所になり果ててしまったことから必要になったのだと語った。
ここひと月以内で同様のデモが行われたのは今日で2度目。「民主主義学校」というNGOを運営するウンム・クルスーム・アッ=シャーミー局長は1度目のデモで、国会議員らに対し、法律の制定を強く求めた。この背景には、困窮したイエメン人家族の窮乏に付け込んだ富裕層が行う 「観光結婚」という現象が広がったという事実がある。
イエメンでは昨年、国会が結婚年齢を17歳と定める法律を審議した際に激しい議論が巻き起こったが、保守派の議員らはイスラーム法違反を理由にこの法律への拒絶を表明し、婚姻年齢の遅れは社会とその道徳観に害を及ぼすと主張した。
また、この法制化をシャリーアに反すると見做し反対したサラフィー主義のウラマーたちからの圧力もあり、結婚年齢を定める法律の議論は無期限に延期されたのだった。
イエメン司法は2年前、司法で扱われる初めてのケースとして、父親によって60歳を超える老人と結婚させられた12歳の未成年女性の結婚を解消させた。イエメンでは数百年前から少女の結婚が伝統として広まっており、中には年齢が10歳に満たない場合もある。
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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:18754 )