平和民主党の憲法改正案への修正提案まとまる―問題は「トルコ人」の定義
2010年03月26日付 Milliyet 紙
平和民主党(BDP)が、公正発展党の憲法改正案に対して用意した「修正提案」がまとまった。憲法における「トルコ国籍者(Türk vatandaşlığı)」という表現が「トルコ国・国籍者(Türkiye vatandaşı)」に修正されることを望む平和民主党は、公正発展党の改正案における裁判官・検察官高等委員会(HSYK)と憲法裁判所の憲法改正に対する変更についても反対した。
平和人民党は、裁判官・検察官高等委員会会長が新たに作られる委員会によって選出されること、大統領に与えられているメンバーを選出する権限が国会、最高裁判所、行政裁判所、弁護士会の間で分け合われることを提案した。平和人民党が「選挙の最低得票率の引き下げ」の要求をあきらめないこと、要求が認められない場合、反対票を入れることが明らかにされた。平和人民党が公正発展党へ提出する修正提案には次のようなことが挙げられている。
○改正案は、国会と国民投票の両方で、まとめてではなく個別に投票されること。
憲法における国民の定義が再考される。「トルコ国籍者(Türk vatandaşlığı)」のかわりに「トルコ国国籍者(Türkiye vatandaşlığı)」という表現が使われること。
○19人に増える憲法裁判所のメンバーのうち5人を国会が選出すること。このため、国会においてすべての政党から5人が参加する委員会が結成される。委員会は、3人の教育者、1人の弁護士、1人の国民を裁判所にメンバーとして入れる。
○裁判官・検察官高等委員会の定員は、21人とし、法務大臣は会長を務めることができない。会長は裁判官・検察官高等委員会のメンバーの中から、メンバーの投票により決定される。大臣は委員会のメンバーだが、補佐委員会からは脱退し、「大臣代理」となる。
○裁判官・検察官高等委員会のメンバーのうち4人を大統領が選ぶ制度は廃止される。大統領は2人の正式メンバー、トルコ大国民議会(TBMM)は3人の正式メンバー、憲法裁判所は1人の正式メンバーと1人の補欠メンバー、最高裁判所は3人の正式メンバーと2人の補欠メンバー、行政裁判所は1人の正式メンバーと1人の補欠メンバー、行政裁判官は7人の正式メンバーと4人の補欠メンバー、行政裁判官は3人の正式メンバーと2人の補欠メンバーを選出する。
○個人情報保護委員会が設立される。
○公務員の労働組合に団体協約に加えてストライキの権利も与える。
○解党については、トルコ大国民議会で設立された委員会が決定するが、政党がトルコ大国民議会に入っていなかったとしても、委員会に対し弁護の答弁をする権利がある。
選挙の最低得票率の引き下げを含む多数の案が政府から拒否されている平和民主党において、改正案に「拒否」の流れが強まっており、ハッキャーリ選出の国会議員であるハミト・ゲイラニ氏は、「我々の要求が認められなければ、改正案を拒否する票を入れる」と述べた。
ゲイラニ氏は、憲法第66条が全員をトルコ人とみなしていること、第42条がトルコ語以外の言語を禁止しているとし、第42条の削除を提案しうることを述べた。ゲイラニ氏は、選挙の最低得票率、TMKの変更、(逮捕されている)子どもたちの釈放、のような法律に関わる要求は曲げられないとし、これらに関し後退することは不可能だと述べた。
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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:18775 )