警察は、ズィヤ・ギョカルプ大通りでトルコ専売公社(TEKEL)の労働者への支援を望む公務員組合連盟(KESK)のメンバーを妨害した。トルコ労働組合連盟のクムル会長が知事や内相とともに行った会談では解決には至らなかった。TEKEL労働者はサカルヤ大通りに入り座り込みを始めた。警察は、退去しない場合介入するとTEKEL労働者に警告を発し、通りにあるバーの経営者に向けて、シャッターを下ろすようにと呼び掛けた。これを受けてバーのオーナーたちは店を閉め始めた。
トルコタバコ・アルコール・穀物労働者支援組合(TEKGIDA-İŞ)のムスタファ・チュルケル組合長、KESKのサーミー・エヴレン会長、トルコ革新労働組合連盟(DİSK)のスレイマン・チェレビ会長、 KESKのエミラリ・シムシェキ事務局長は、サカルヤ大通りに赴きTEKELのデモに参加した。このころ共和人民党アンカラ支部のバイラム・メラル議員は、通りの入り口で警察がまいた催涙ガスの標的になった。ガスが目に入ったために涙を流しつつ苦しむバイラム・メラル議員は、このような事態に出くわしたのは初めてだと語り、涙を拭いつつ次のように述べた。
「我々は今日までデモ活動を行ってきたが、このような事態になったことはなかった。こんなことをする必要があるのか。デモ参加者がここに来たからといってどうなるというのか。彼らは100日近くデモを行ってきた。誰にどのような被害があっただろう。商店主たちも好意的ではないか。公正発展党政権は警察国家を構築している。公正発展党はトルコで自分たちの体制を作っているのだ。」
TEKEL労働者たちは1ヶ月後にアンカラで再びデモを行い、緊張の1日が生じた。警察はTEKEL労働者の支援のためにズィヤ・ギョカルプ大通りで待機していたKESKの加盟団体を妨害した。KESK加盟団体は約3時間待機した後、通りの私立高校へ向かう道を封鎖しようとした。彼らを取り囲む機動隊がつくったバリケードを押し返したその団体は、活動が「違法」であるとして警告を受けた。
しかし警察の警告をよそにバリケードの破壊を続けたため、催涙ガスによって妨害された。ズィヤ・ギョカルプ大通りで発生した短時間の衝突の後、団体のメンバーはメディハ・エルデム博士通りへと入った。そこから機動隊に投石したメンバーは再びバリケードの前に立ち、スローガンを掲げて抗議を行った後、アダカレ通りにおいて座り込みを開始した。この間、アンカラのケマル・オナル知事とオルハン・オズデミル県警本部長は県警所有のヘリで人員を派遣した。
■エヴレン会長:まるでクーデターのよう
トルコ労働組合連盟の本部があるトゥナ大通りでは、長時間(結果を)待った。ムスタファ・クムル会長とベシル・アタライ内相による会談において解決法を見出すことはできなかった。クムル会長は「現時点で会談で解決法を見つけることはできていない」と述べた。
トルコ労働組合連盟の委員会は、連盟本部の前に集まろうとするTEKEL労働者を妨害する行為について、「この連盟は、すべての労働者にとってそうであるように、 TEKEL労働者の家でもあります。TEKEL労働者がトルコ労働組合連盟本部を訪れるのを妨げてはならない」と述べた。
KESKのサーミー・エヴレン会長と、彼と行動を共にしていた連盟のメンバーが、トゥナ大通りの労働者たちのそばへ行った。エヴレン会長はそこで行った声明発表で、アンカラ県知事がクズライとトルコ労働組合連盟の建物の周辺でとった警備体制を批判し、「まるでこの地域に戒厳令が敷かれ、クーデターが起こっているかのようだ。TEKEL労働者、私たちは、この国の人間ではないのか」と語った。
会長はさらに、トルコ労働組合連盟をはじめとするすべての労働者と公務員の連盟の代表と労働組合の代表に対し労働者の統率を求め、「バリケードの前へ来て、共に私たちの願いを叶えましょう」と述べた。共和人民党のジェヴデト・セルヴィ副党首は、労働者たちが自らの家であるトルコ労働組合連盟に近寄れないのは間違いであるとし、「彼らはたった一日だけデモを行って終わりにするはずだった。今内相を呼び寄せているところだ」と語った。
■アンカラに入ることはできなかった
この間(民営化にともない公布された657番の法の)4-C条項(の待遇)への移行を認めずにアンカラでデモを行うために周辺地域から集まった参加者は、乗車したバスがアンカラ市街地に入ることを認められなかった。早朝、主要路に配置された警官隊は、デモの参加者を運ぶと特定でき、事前にナンバープレートを認識していたバスを停止させた。労働者の代表と話し合った担当の警察官は、アンカラ県庁の決定に言及し、デモは違法であると述べた。
■連盟本部の前に集合できず
TEKEL労働者はさまざまな地域から来ていたが、彼らがトルコ労働組合連盟の前に集まることに許可は下りなかった。アンカラへ来た労働者の一部は、早朝ミトハトパシャ大通りに集まった。労働組合の呼びかけをうけて連盟の本部前に集合しようとした労働者は、機動隊が道路を封鎖したために本部まで行くことができなかった。スローガンを叫ぶ労働者が増えたことにより時折ミトハトパシャ大通りの通行が滞ったため、警察はこの集まりを解散させようと警告を発していた。
参照
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20100202_074653.html
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( 翻訳者:大門志織 )
( 記事ID:18806 )