■エジプトの医師たちが1200人のチャド人の視力を回復
2010年04月08日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【同行取材:アスマーウ・アル=フサイニー記者】
地理的にはエジプトとチャドは近いにもかかわらず、チャドへの道のりは長かった。まず私は数千マイル離れたエチオピアの首都アディスアベバへ向かわねばならなかった。そこに一日滞在した後、エジプトの眼科医チームに同伴してようやくチャドへ出発した。この眼科医チームはチャドでの失明撲滅プロジェクトの一環で組まれたものだ。
アフリカ協力基金のファーティマ・ジャラール事務局長によれば、このプロジェクトはエジプト外務省のアフリカ協力基金が組織しているキャンペーンの一環であり、アラブ医師連合やイスラーム開発銀行の協力も得ている。
強い砂嵐によりチャドの首都へ向かう飛行機は4日間も運休したが、幸運なことに私たちが着くころには砂嵐はおさまっていた。同じく政治的な嵐の方もおさまっていた。政治的な嵐とは、様々な関係で結ばれた隣国同士であるスーダンとチャドの間で続く戦争や敵対行為のことだ。それがチャドの国内情勢に反映しているのだ。
チャドを訪れた高い水準のエジプト医療チームのメンバーは、自己を犠牲にする任務に赴く人のようであった。彼らには無駄な時間はなかった。一日は払暁の礼拝から始まり、夜の8時か9時まで仕事は終わらない。彼らは延々と仕事を続け、時間と戦っていた。10日という限られた滞在期間中に、検査や診察のほかに1200件の手術をこなすことを目標に掲げていたからだ。
この医療チームにとっては今回が初めてではなく、数か月前にも同じような救援隊が編成されたが、今回新しく参加した医師らもいる。
医療救援隊はひじょうによく組織されており、数年前に中国が建設してチャド市民に贈呈したフッリーヤ病院というチャドの首都で最大級の病院内の適切な場所に、準備や装備が整えられていた。救援隊が到着するまでに必要な用具や機器、医療器具などが用意され、病を抱えるチャドの人々に無料で提供された何トンもの薬も運び込まれていた。さらにチャドのエジプト大使館とチャド側との間には緊密な協力体制が敷かれ、病人たちの組織だった受け入れ態勢や広範囲な広報にそれが反映されていたし、チャド人の医師、看護婦、助手たちとの協力体制にもつながっていた。アラブ医師連合の失明撲滅アラブセンター長で、このプログラムの統括者でもあるハーリド・ハナフィー氏は「この医療救援隊は1万件の手術と10万人の治療、チャドにおける眼科医の研修・訓練のための3カ年計画の一環として編成された」と語り、チャドでは失明の症例が12万件もあると指摘した。
(後略)
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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:18858 )