合法的な中絶件数、年間約2000件
2010年04月05日付 Jam-e Jam 紙

3人の専門医による確定的な診断と、法医学による承認、ならびに夫の同意を条件とした合法的中絶は、我が国で年間約2000件行われている。

 テヘラン中央区法医学局のアーメネ・ベイク・モハンマディー局長は、ファールス通信とのインタビューの中で、「発達障害や先天的な奇形が原因で母親に過度の負担をもたらす病気を胎児がもっている、あるいは母体の生命を脅かすような病気を母親が抱えている、ということが3人の専門医の診断によって確定し、法医学によって承認された場合、〔胎児に〕魂が入る(妊娠4ヶ月)前であるならば、女性の同意があれば、治療を目的とした中絶は許可され、担当医が責任を問われたり、処罰されたりすることはない」と付け加えた。

 彼女は「この法律は、84年ホルダード月10日〔2005年5月31日〕に開かれた国会の公開本会議で可決され、84年ホルダード月25日〔同6月日〕に護憲評議会によって承認された、単一条項からなる法律で、同法の規定に違反した者は、イスラーム刑法で定められた処罰を受けることになっている」と語った。

 テヘラン中央区法医学局長は加えて、次のように述べた。「中絶を希望する者は、中絶に関するイスラーム法学の法規定を得ることはできない。イスラーム法学の法規定は〔中絶に関する上記の〕法律が可決される前に与えられたものにすぎない」〔※中絶の可否については、国の法律が優先され、イスラーム法学の規定は有効ではない、という意味〕

 ベイク・モハンマディー氏は「86年〔西暦2007年〕には2156人、87年〔西暦2008年〕には2365人が治療を目的とした中絶手術を受けた」と語った。

 彼女は続けて、「中絶の許可は、個人的な請求があった場合に、その個人に与えられるものだ。司法機関に諮ることなく、またイスラーム法学に照らしあわせる必要もなく、法医学庁内で処理される事案としては、これが唯一のものである。ただ、許可を出すためには夫妻の同意が重要である」と述べた。

 彼女は続けて、次のように語った。「法医学庁で治療を目的とした中絶の許可を出すための手数料は1万6500トマーン〔約1600円〕で、法医学庁は中絶を行う特定の場所や施設を紹介することはない。各人は医療設備が整った施設であればどこでも、中絶手術をうけることができる」。

 テヘラン中央区法医学局長は加えて、「86年〔西暦2007年〕にテヘラン市では494件、87年〔西暦2008年〕には647件の中絶が行われている」と語った。

〔後略〕

Tweet
シェア


関連記事(生まれること無き胎児たち:イランの違法中絶事情)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:高山奈美 )
( 記事ID:18876 )