東部各地でアフメト・チュルク元党首への襲撃非難のデモ
2010年04月13日付 Radikal 紙
解党した民主市民党(DTP)アフメト・チュルク元党首への殴打襲撃に対し非難のデモを行う何千もの人がトルコの多くの町でデモ運動を行った。ハッキャーリでは警察との間で衝突が起こる一方、デモで掲げられた「復讐」というスローガンが注目を浴びた。
解党した民主市民党(DTP)元党首、元マルディン県選出議員であったアフメト・チュルク氏がサムスンで受けた殴打襲撃に抗議する5000人がデモ行進を行った。記者会見の後、あるグループがゲンチリック通りで待機していた警備隊の前でスローガンを掲げ始めると、警察は催涙ガスと警棒を使いデモを妨害した。町ではシャッターがおろされる一方、騒動は収まっていない。
アフメト・チュルク元党首に対する襲撃を抗議しようとするグループがカヤジャン通りで平和民主党(BDP)ビルの前で集まった。おおよそ5千人にのぼる人がブルヴァル通りにある市役所の前に至るまで「党首に伸びる(襲撃の)手は破壊されろ」「チョレメリック(ハッキャーリ)ファシズムは終りを遂げる」とスローガンを掲げた。
市役所の前で行われた記者会見に平和民主党(BDP)のファドゥル・ベディルハノール市長、チュクルジャ市長のメフメト・カナル、平和民主党(BDP)M.スドゥック・アクシュ県支部長も参加した。記者発表は「メソポタミア近親者をなくした人々の会」会長ミカイル・アタン氏が行った。アタン氏はアフメト・チュルク元党首に対する襲撃が卑劣行為であるとし、次のように述べた。
「民主市民党(DTP)アフメト・チュルク元党首に対する卑劣な襲撃が行われた。世論や特にAKP(公正発展党)内閣は、フラント・ディンク殺害事件によって浮き彫りになった「トラブゾン―サムスン」ラインが、如何に汚い関係網であるかを目の当たりにしたが、それへの対策を今日まで採ってこなかった。平和民主党(BDP)の成功を受け入れない公正発展党(AKP)内閣は、クルド問題の解決という点において中身のない、だらだらとした態度を示している。国民の平和に向けた努力をテロに変えようとしている。タイイプ・エルドアン首相だけがいつも民主主義の要求、要望を訴えるクルドの人々を標的したのである。民族主義、人種主義、ミリタリズムを指針とする戦争屋が、火種を作り出したり扇動したりしようと躍起になっている。
特に共和人民党(CHP)は、闘争、死、血、涙のほかにこの党が社会に対して解決策として提示するものがないことも明らかである。デニズ・バイカルはクルドレポートの中で平和について述べる一方で、『平和グループ』(訳者注:カンディル山及びマフルムからトルコに投降してきたPKKのメンバーのこと)がトルコに来た際、同じバイカルは一転して法が踏みにじられた、政府は降参したと述べた。『政府の対応は本質的に間違っている』というような発言をし、ナショナリズム、人種差別、排外主義を引き起こしたのである」
平和民主党(BDP)M.スドゥック・アルクシュ県支部長はというと、ブラヌク事件の裁判がサムスンで行われたことの裏には隠れた企みがあるとした。この会見の後、アクシュ県知事は、民衆に対して挑発に乗らずに解散することを求めた。これを受けてグループは解散し始めた。
シャッターは閉められた
あるグループがゲンチリック通りにある軍警察宿舎の前でスローガンを掲げ始めると、警察はデモを妨害した。これによって事件は起きた。事件は短い間に町の中心に広がった。商店街はシャッターを閉める一方、警察はスローガンを掲げる者に対しに催涙弾や高圧力の水を使って解散させようとした。これに対しスローガンを掲げるものは警察に石を投げながら対抗した。この際事件の中に残された一人の学生が催涙ガスにより負傷した。平和民主党(BDP)の党員は催涙ガスの中から小さな子供を助け、両親のもとへと連れて行った。
ディヤルバクルで激しい反発
解党した民主市民党(DTP)アフメト・チュルク元党首が昨日(4月13日)サムスンで襲撃されたことに対し南東部では激しい反発が起こる一方で、デモ行進や座り込みデモなどが行われた。シュルナクで平和民主党(BDP)を中心に市民団体がアフメト・チュルク元党首に対する襲撃を非難するためにデモ行進や座り込みデモを行った。約500人が参加した抗議運動にシュルナク市長であるラマザン・ウイサル氏、人民社会組合代表、公正発展党県議会議員スレイマン・エレネル氏も参加した。デモ行進の間「弾圧に立ち下がらない」「クルド人にファシズムを行おうとしている」「アフメト・チュルク元党首への襲撃はクルド国民に対するものである」「我々の自由意志を妨げることはできない」と書かれたプラカードを掲げた。平和民主党(BDP)の県の取締役サリ・ギュレンチ氏はクルド人に対する襲撃が増加しているとし、次のように述べた。
「解散した民主市民党(DTP)の親愛なるアフメト・チュルク元党首に対して行われた卑劣な襲撃によってこの状況は頂点に達し、この襲撃によってクルド人の価値と名誉を踏みにじろうとした。親愛なるアフメト・チュルク元党首に対して行われたこの襲撃は彼個人にだけではなく、クルド人に対して行われた。この襲撃は決して単なる単独の事件としてみなしてはいけない。これは完全に計画的で準備が事前に行われた襲撃である。この襲撃の責任は、与党を始めとしてサムスン県知事および県警、また治安上の問題を理由に裁判をサムスンに移しリンチを引き起こしたムシュ県知事と裁判官にある」
中略
チュルク元党首から良識を求める呼びかけ
解党した民主市民党(DTP)アフメト・チュルク元党首は、ハヴザ国立病院で手当てを受けた後、病院を出て会見を行った。チュルク元党首は「皆に冷静になってほしい。ファシストの襲撃を受けた。このようなことで社会の緊張状態が生まれないことを望んでいます。もちろんここでの事件の発生の仕方、対策については真摯に追求される必要があります。警察官がいる中でこの事件が起こったなら、手を振りながら近づいて来て殴ることができたなら、そこには職務の怠りがあります。このことが真剣に検討されることを望みます。もう一度国民に次のことを言います。皆冷静になるべきだ。緊張状態を作りたい人々の策略にはまってはいけない」と話した。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:池田峻也 )
( 記事ID:18895 )