あるパレスチナ人学者が、「(アラブとトルコの)架け橋となる」ために開設されたトルコラジオ・テレビ協会(TRT)のチャンネルであるエル・トルコについて、「アラブの慣習に反して下品な映像や裸体を放送している」として非難した。
トルコとアラブ世界の間の架け橋となるために2週間前に放送を開始したTRTのアラビア語チャンネル「エル・トルコ」は、パレスチナ人学者のアッザーム・アル・タミーミー氏を失望させた。ロンドンのイスラム政治思想研究所の所長でもあるアル・タミーミー氏は、ロンドンでアラビア語で出版されているクドゥス・アル=アラビー紙上に掲載した記事でエル・トルコについて、映像が「下品」であり番組も視聴者を満足させるものではないとして激しく非難した。
アル・タミーミー氏は、自身の考えとして、当初は非常に肯定的に迎えたアラビア語によるトルコのチャンネルの開設について「大いに失望させられた」としている。「私はこのチャンネルを数日視聴し、深い悲しみに襲われた。アラブ人視聴者として、このプロジェクトからアラブ諸国の、もしくはトルコのためになるメッセージを見いだすことができず、そんなプロジェクトに費やされた多くの金に心を痛めた。チャンネルの運営者たちがこれらの番組によってアラブ諸国に何を与えようとしているのか理解できなかった。」
■ トルコの利益を望まない者がファンとなる
アル・タミーミー氏が言及し、不快に感じたとしたもう1つの問題は、同チャンネルの「下品」な映像だという。アル・タミーミー氏は、「現状ではエル・トルコ・チャンネルのファンとなりうるのはトルコの利益を望まない人々だけである。番組の下品な映像を不快に思わない人々のみを引きつけよう。このチャンネルに心待ちにしていた人々の期待は水泡に帰し、その熱望は失望に変わった。なぜならこのチャンネルの番組は到底満足出来るものではなく、多くのアラブ人にとって慣習に反し、見るに耐えないものとなっているからである。トルコ人関係者たちが早急にこのバランスの悪さを改善し、この大きな間違から引き返すことを期待している。現状ではこのチャンネルはなんのメッセージも持たない」と述べている。
■ トルコドラマの優勢に不満…
自身を「親トルコ」であると述べるアル・タミーミー氏は、TRTのアラビア語チャンネルでは自分の好きなトルコが見られず、反対に「恥らいのなさが前面に出た生活様式、思考と行動」が示されていると述べている。同氏は、同チャンネルが現在放送中の番組を通してアラブ人視聴者の間に嫌悪感を呼び起こすだろうと述べ、「現状を継続すればこのチャンネルは閉鎖されることになるだろう。なぜなら私たちの前に現れる他のひどいチャンネルだけで十分だからである。信仰を厚い人々はこれらの番組を見ることで時間を無駄にすることになる」と続けた。
アル・タミーミー氏は、このチャンネルでトルコドラマが優先されていることに不満を持っており、「まるでアラブ人が、サウジアラビアと湾岸諸国が経営する衛星チャンネルで十分な量のドラマがあるにも関わらず、満足していないかのようだ」と述べている。
エル・トルコでは現在、トルコドラマの「2度目の春」、「七つの丘イスタンブル」、「春の枝」、「スーパーおばあちゃん」が放送されている。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:18909 )